9回はクリーンアップが3者連続三振。ソフトバンク打線がロッテ西野にプロ初完封勝利をプレゼントし、連勝は5でストップした。

この日はヤフオクドームに孫オーナーが今季3度目、161日ぶりに観戦に訪れた。試合前に激励された工藤監督やナインは今季3度目で初めて白星を届けることができなかった。

今季9度目の0封負け。工藤監督は「うまく低めに集められ、緩急を使われた。今日は西野君がよかった」と相手をほめるしかなかった。4回2死一、三塁で9番甲斐の3球目に一塁走者今宮が二盗を試み、相手捕手が二塁へ送球すると三塁走者グラシアルがヘッドスライディングで本塁へ突入したが、二塁からの返球で憤死。5回以降はひとりの走者も出せなかった。

工藤監督は「重盗のサインではない。捕手の送球が高い時は(三塁走者は)行っていいと言っている。私の責任です」と説明。チームの決まり事の中でのプレーだった。デーゲームで2位西武が敗れ、勝つか引き分ければ優勝マジック14が付く中での試合開始だった。だが、勝てず自力では7度目(他力を含めると8度目)の挑戦でもマジック点灯とはならなかった。孫オーナーは三笠取締役GMから球団の現状を聞き、試合後は王球団会長と笑顔であいさつを交わし、球場を後にした。2位西武とは1ゲーム差のまま、残り16試合。3月に厳命されたリーグV奪回からの3年連続日本一を達成し、最後には孫オーナーを喜ばせる。【石橋隆雄】