巨人丸佳浩外野手(30)が最高の化学反応をもたらした。広島の中軸として2年連続MVPの看板をひっさげ、FA移籍。プレーはもちろん、立ち居振る舞いすべてで驚きと好影響を与え、チームを力強く引っ張った。最難関といわれる野手のFAで、1年で堂々たる存在感を示した「心技体頭」に潜入する。

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V9以降、巨人軍の背番号「8」は右打者の聖域だった。左打者で初めて背負った丸。「8」の大先輩、原監督に言われた「広島でやってきたことを、そのまま出して」の言葉を忠実に守った。印象的な「8」題をピックアップする。

★心

<1>鮮烈のデビュー 開幕戦で4打席連続三振後、菅野に「もう1打席あれば、打ってたでしょ」と聞かれ「いや、三振してたんじゃない」と答えた。「ビックリした。ハートが強いなと思った」と菅野。

<2>割り切り シーズン終盤、不振脱出の苦肉の策として「ツイスト打法」を導入。選手も仰天する「あっち向いてホイ」でホームラン。

<3>丸ポーズ 阿部が発案して一気に浸透。6月20日オリックス戦からは原監督も始め一体感が生まれた。

★技

<4>ヒッチ打法 吉川尚、加藤が取り入れ飛躍へつなげた。キャンプ中には坂本勇らがインパクト時に「シュッ」と息を吐くまねも。

<5>フェースガード 広島時代の昨季から導入。キャンプで選手から感想を聞かれ「違和感はないし、自分の世界に入れる」。

<6>駐車場閉鎖 力強すぎるスイングで、沖縄キャンプ中は場外弾を連発。乗用車の破壊を警戒し、右翼奥の駐車場が使用禁止に。

★体

<7>食事 試合前にうどん、ラーメンの麺類、ご飯などの炭水化物を大量に食べる。岡本は「僕よりも全然食べます」と目が点。

◆頭

<8>投手陣の意識改革 打席を終え「丸ノート」に書き込む姿は定番。リリーフ投手は降板すると、ベンチ内の配球論を傾聴する。沢村は「ここまで考えてるんだと。勉強になります」。【久保賢吾】