日本ハム杉浦稔大投手(27)が、来季2桁勝利で悲願の“祝杯”をあげる。5日、千葉・鎌ケ谷でキャッチボールを敢行。来季から本格導入を目指しているチェンジアップも試投した。来季の目標は自身初の2桁勝利。10勝を挙げたあかつきには、プロ入りの際に選手寮へ持ち込んだ地元十勝産の本格麦焼酎「十勝無敗」を開封するプランを明かした。

   ◇   ◇   ◇

季節外れの日差しが照りつける中、ポール間を走った後は、少しずつ距離を延ばしながらキャッチボール。日本ハム杉浦は来季へ向け、すでに千葉・鎌ケ谷でスタートを切っている。「あまり休みすぎても、僕の場合は肩が緩くなってしまうので、適度に投げる機会があった方がいいんです」と、日焼けした顔に笑みを浮かべた。

大卒6年目で、ようやくプロで生きる道が見えてきた。登板間隔を10日以上空けながら、慎重に先発枠に食い込んだ今季。少しずつ登板間隔を狭めながら、最後の登板となった9月26日オリックス戦(札幌ドーム)では、自己最長の6回2/3を投げて1安打無失点と、ほれぼれするような投球を見せた。「今季で一番長いイニングと球数を投げられた。体の面で、不安をひとつ払拭(ふっしょく)できたかなと思う」。1年間、先発枠を守る手応えを、しっかりとつかんだ。

目標は明確だ。「ローテーションを回り続ければ、2桁勝利につながる」。そのために、ストライクゾーンで勝負できる変化球としてチェンジアップを習得中。シーズン中に金子や有原から握りを教わり、現在、キャッチボールで試投している。

ヤクルト1年目の14年、入寮した際に持ち込んだ本格麦焼酎、地元十勝産の「十勝無敗」は、まだ家の奥で眠ったまま。「2桁勝ってから開けたいというのがあるので。だいぶん熟成されてますよ(笑い)」。悲願を、来季こそかなえてみせる。【中島宙恵】

◆十勝無敗(じゅっしょう・むはい) 杉浦の出身地、帯広市にほど近い上川郡新得町に11年5月に設立された「さほろ酒造」の焼酎で、1・8リットル、720ミリリットル、300ミリリットルの3サイズがある。大雪山系の伏流水を仕込み水に使い、十勝の肥沃な大地で育てた麦で醸す麦焼酎。新得町の「ふるさと納税」返礼品にもなっている。

◆杉浦の19年シーズン 今季14試合いずれも先発登板で、初勝利は2戦目5月11日西武戦、同23日楽天戦と2連勝。その後6月5日ヤクルト戦から8月29日西武戦まで8試合、3カ月間、勝利から遠ざかった。3勝目をつかんだのは9月6日オリックス戦で、同26日の同戦は7回2死まで完全投球で今季最多90球を投げて4勝目。