広島は7日、佐々岡真司投手コーチ(52)の新監督就任を発表した。1年契約の推定年俸7000万円で、背番号はコーチ時代と同じ88。投手出身の監督は、球団では67年長谷川良平以来53季ぶりとなる。

マツダスタジアムで会見した新監督は、理想のチームづくりについて語り、V奪回、日本一を宣言した。

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佐々岡新監督(以下佐々岡) このたび、広島東洋カープの監督になることになりました佐々岡です。先ほど、松田オーナーから温かい言葉をいただきました。選手で18年、コーチで5年、そして今回大役を任され、今年の経験を反省して来季、V奪回、そして日本一を目指して全身全霊を込めて務めさせていただきます。これからもよろしくお願いします。

-監督になる思い

佐々岡 球団の方から「監督をお願いする」となった時に、本当にありがたい気持ちと、自分でいいのかという不安の気持ちが、両方ありました。

-引き受けてからは

佐々岡 カープのため、今年の悔しさをバネに、もう1度優勝するんだという気持ちに変わってきた。

-家族の反応

佐々岡 最初は驚き、冗談じゃないのという感じでしたけど、自分がやると決めた瞬間から、どういうことがあろうと、何を言われようと、しっかりと応援するよと言ってくれた。

-自身のFA権取得時に「大好きな球団だから」と言って残留した

佐々岡 本当に好きな球団に入れて、18年間選手をさせてもらい、5年間コーチもして、こうして監督を任される。そんなに、できない仕事。ましてや好きな球団でできる喜びの方が強い。恩返ししたい。しっかりとやっていきたい。

-1、2軍のあり方

佐々岡 カープの野球は若手を使いながら勝っていく。アピールをしてもらって、2軍から1軍に上がれるように、しっかり見ていきたい。

-どういうチームにする

佐々岡 現役時代もコーチになっても気持ちは変わらないけど、ピッチャーは助けてもらうものだし、野手もピッチャーのためにという気持ちで。チーム愛が浸透し、みんなで勝った喜びを味わう、負けた悔しさを味わう、そういうベンチでありたい。みんなに愛される、そういうチームになっていきたい。

-ファンへ向けて

佐々岡 僕が引退するときに、旧市民球場、最後の球場が真っ赤に染まった中、マツダも真っ赤に染めて選手たちに声援をくださいと言ってやめたわけです。今のこの時代、毎試合、スタンドを真っ赤に染めてもらって、ビジターでも半分以上を真っ赤に染めて応援してくださっている。そういう姿というのは選手にとって、スタッフにとって力になる。

-キーマンは

佐々岡 1人に絞るのは難しい。投手ならエースとして頑張ってくれた大瀬良大地。バッターでは中心選手の菊池(涼)、会沢、(鈴木)誠也。

-攻撃面、作戦面はどうするか

佐々岡 今から決まるコーチ、スタッフとの相談になる。僕はピッチャーしか見てきていない。支えてもらえるスタッフと、話をしながらやっていきたい。

-Bクラスとなったチームをどう立て直すか

佐々岡 緒方監督の投手を中心に守り勝つ野球というところは、カープ野球の基本。そこは変えることはない。終盤のリリーフ陣の弱さが出た。先行して逃げ切れなかった。逆転で負けというのが多かった。先発も充実しなければならないが、終盤のリリーフピッチャーを強化していきたい。

-対話重視スタイル

佐々岡 ピッチャーだけじゃなく、野手とコミュニケーションとりながら。練習のときもそうですし、試合も。自分のスタイルだと思っている。

-攻撃面の課題

佐々岡 1点を取る中で、ランナーをためて長打が出るという野球も必要なのかなと。クリーンアップも誠也だけが固定されて、ほ他が固定されなかった、長打力が少なかった。補強というかクリーンアップの長打力は欲しいところ。

-座右の銘は

佐々岡 現役をやめたときも「感謝」という言葉を挙げながら、みんなに感謝しながら野球をできる喜びを感じた。監督だからじゃなくて、選手の時から気持ちは変わらない。選手の時は好かれる選手でありたいと思っていた。みんなから好かれるような、そういう監督になりたい。