ロッテ益田直也投手(30)が30日、今季取得した国内FA権を行使せず、来季も残留すると表明した。この日の午後にZOZOマリンを訪れた。

球団とファンの熱意に胸を打たれた。「ファンの人からもSNSやそれ以外のところで、残ってほしいという声をたくさんいただいた。ロッテでこのメンバー、スタッフ、ファンのいるところで優勝したいと思った。井口監督を胴上げしたい」と明かした。

球団からは3年契約を提示され、引き留められた。一時は権利行使も検討した。「みんなが言う、他球団の評価を聞いてみたいという思いもあった。でもこの(これからの)3年間が、僕のプロ野球選手としてのパフォーマンスのピーク。この期間をどこでやるか。今までの8年間プラス、この3年間をかけて、ロッテでやりたいなと思った。もうずっとロッテでやりたいなって思いはあります。ここで残留するということは、僕の中でけじめでもあった」。生涯マリーンズの覚悟を決めた。

同い年で同期入団の鈴木大地内野手(30)はFA宣言をした。シーズン終了後、互いの思いを、腹を割って話し合った。「断食に行った時、4日間ずっと一緒にいてたくさん話した。同期は2人しか残ってない。FA権も1日違いで取れて、ロッテでずっと一緒に1軍でやってきた。一緒に残って優勝したい。出るなら一緒に同じチーム行こか、と思うくらい、僕にとっては大きな存在」。鈴木は宣言残留の可能性も残っており「出るかどうかもまだ分からない。残ってほしいとは思いますけど、大地の意見を尊重したい」と思いやった。

8年目の今季は60試合に登板し、4勝5敗27セーブ、防御率2・15をマーク。守護神としてチームを支えた。ここまで通算472試合で88セーブ。通算500試合登板と100セーブには来季届きそうだ。「(個人記録には)あんまり興味がない。そこは最低クリアしないとチームが勝てない。それ以上のものを」と話し、「今年は最後まで3位争いをした。マリンで(西武の)優勝を見た。もうあんな思いはしたくない。来年は3位じゃなくて優勝を争って、最後まで野球をしたい」。

最後は、決断の決め手の1つにもなったファンの存在について「僕を育ててくれている。僕1人ではこんな選手になれていない。家族くらい、好きなものですね」と感謝した。【鎌田良美】