亜大が粘る国学院大を振り切り、対戦成績を2勝1敗とした。この日の勝利で勝ち点を3とし、2位で今季を終了した。また、亜大の矢野雅哉内野手(3年=育英)が、4割1分5厘で初の首位打者を獲得した。

守備の男が、打撃で成長を見せた。矢野は、24日の国学院大2回戦で3打数2安打で打率を上げ、立正大・立松由を抜き首位打者に躍り出た。この日は8回から守備固めで出場した。打席での出番はなく、首位をキープしたまま全日程を終了。「自分は肩に自信があって守備が得意。打撃のタイトルを取れるとは思っていなかった。よくやったと自分でも思います」と笑顔を見せた。

今秋のリーグ戦、チームは一時、最下位に落ちるなど、苦しいシーズンになった。トレーニングから見直し、打撃陣は外角の球を捉えるためにティーバッティングで練習を重ねた。矢野も「個人の成績よりも、チームの成績が第一だった。個人の欲が出たら、チームが崩れてしまう。そのためになら、何でもやろう、と取り組んだ結果です」と、チームバッティングに徹し結果につなげた。

リーグの新しいルールも味方につけた。今秋から導入されたタイブレーク制に伴い、チームは夏のキャンプからエンドランの練習を徹底した。矢野も「この練習でミート力が増し、確実に捉える力がついた」と胸を張る。生田勉監督(53)は「矢野は本当に成長しました。彼の努力の結果。体も丈夫で、よく練習する選手。よくここまで上がってきた」と褒めた。

3年でつかんだ打撃の自信。「自分にとって首位打者獲得は、これから先につながると思います」。地道な努力が生んだタイトルに自信をつけ、来季、さらなる飛躍を誓った。