虎が万能サブマリン獲得を目指す。阪神が今季米大リーグのパドレス傘下のマイナーでプレーした牧田和久投手(34)の獲得に乗り出していることが10月31日、分かった。

牧田はNPB通算53勝54ホールド25セーブと、先発、セットアッパー、抑えの全てで実績がある。古巣西武をはじめ、複数球団による争奪戦になる可能性があるが、15年ぶり優勝を目指す2年目矢野阪神が積極補強を進める。

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牧田獲りへの動きを虎が推し進める。この日、谷本球団副社長兼球団本部長が「調査しています。コンタクトを取っているのは事実です」と、日本球界で数々の実績を残した“万能サブマリン”の獲得を目指して動いていることを明言した。

牧田は10年ドラフト2位で西武に入団。11年に救援として22セーブを挙げ、2年目の12年から4シーズンで38勝をマーク。セットアッパーとしても16年25ホールド、17年は28ホールドを記録。NPB通算53勝54ホールド25セーブ。17年オフにポスティングシステムでパドレスに移籍したが、1年目の昨季はメジャー27試合で防御率5・40。戦力外となり、今季は3Aと2Aでの計43試合登板、6勝3敗3セーブで防御率3・33だった。

日本球界復帰を視野に入れているという右腕には、古巣の西武などが興味を示しており、複数球団による獲得合戦に発展する可能性がある。谷本球団副社長も「(獲得に名乗り出る球団が)複数ある中の1つだと思います」と語るなど、阪神としても争奪戦となるケースを想定しているようだ。

阪神は今季、両リーグトップのチーム防御率3・46だったが、クライマックスシリーズで先発の駒不足が露呈。10月26日には先発補強としてソフトバンクから通算100勝右腕の中田賢一投手(37)をトレードで獲得。牧田は、先発だけでなく、救援投手としての経験も豊富だけに、谷本球団副社長は「(獲得となった場合は)先発でも中継ぎでもどこでもいけると思います」という。球団としては先発だけでなくリリーフを含めた投手陣強化の一手として検討。秋季キャンプで戦力底上げを図りつつ、強固な布陣を作り上げていく。