阪神の秋季安芸キャンプで臨時コーチを務める山本昌氏(54=野球評論家)が1日、本格始動指導した。

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「山本昌塾」は投手陣だけでなく、野手陣にも行われた。臨時コーチを務める山本氏はキャッチボールで藤浪にアドバイスを送った後、歩を進めた先に大山がいた。すると藤浪への助言時と同じように身ぶり手ぶりを交えながらの指導を実施。さらに守備練習時には、三塁側ファウルグラウンドで江越、高山、近本の外野陣の短い距離でのスローイングをチェック。投手指導の合間をぬい、通算219勝のレジェンド左腕による異例の野手指導が繰り広げられた。

今季、外野手では12球団トップの10補殺を記録した近本は「レフトからサードのショートスローだったり、内野がエラーしてセカンドへのショートスローだったり。そういうところのショートスローだと思います」。ショートスローについての指導は、投手陣にも行われたが、山本氏は「野手の方からもスローイングについて聞いてきてくれたので」と振り返った。

矢野監督も「投げることに関してのことは、野手も変わらない。外野手でもショートスローとか苦手な野手も多いので」。送球による失策を防ぐこともチームにとって大きなテーマ。レジェンド左腕が一役買った。

▽阪神筒井外野守備走塁コーチ(山本昌氏の野手指導について)「ショートスローを教えていただきました。今の外野手は長い距離を正確に投げることは得意ですが、ショートスローには苦手意識のある選手もいる。ぼくらのころは投手や内野手の経験者が外野に回ることが多かったが。今は最初から外野手という選手が増えてそういうこと(ショートスローが苦手)になっている。ショートスローの正確性を求める意味で、教えていただきました」