侍ジャパン打線は本番前の快音締めとはいかなかった。「プレミア12」突入までの最後の実戦となったカナダ戦は計7四球をもらいながら、6安打3得点にとどまった。

身長190センチから投げ下ろす先発左腕ザストリズニーにてこずり、3イニングで無得点。4、5回の2得点も、2番手右腕プロコピオの明らかな制球難につけ込んだものだった。9安打5得点した前日10月31日カナダ戦は身長2メートル超の先発右腕オーモンには苦しみ、150キロ前後のムービングボールを前に3回無得点。この日も迫力を出し切れなかった。

もちろん明るい材料もある。戦線離脱した秋山の代役で1番に入った山田哲人は、5回1死二塁で「強引に行かず、センター返しを心掛けて」中前適時打。現状は二塁菊池、一塁浅村のバックアッパーという立場にとどまるが、1番山田という新オプションの可能性を広げた。不動のリードオフマンを失った侍打線。本番まで残り3日の調整期間で一気に状態を上げる。