ソフトバンクの育成剛腕が「ポスト千賀」に名乗りを上げた。

宮崎秋季キャンプ2日目の2日、工藤公康監督(56)が、育成選手の尾形崇斗(しゅうと)投手(20)の投球をブルペンで視察。「御前投球」で尾形は「緊張した」と言いながらも「このキャンプは1年ぶりにみてもらえる貴重な機会。アピールはできたと思う」と笑みを浮かべた。

尾形は学法石川(福島)から17年育成ドラフト1位で入団。1年目から頭角を現し、期待された今季は腰痛などもあり結果を残せなかったが、10月のフェニックスリーグでは中継ぎで1イニング起用され、結果を残した。小川2軍監督も「もともといい球を持っている。結果もしっかり残してくれた。もっとよくなる」と太鼓判を押す。そんな報告もあって真後ろで見守った工藤監督は「球に力がある。昨年と違ってコントロールもされていたし力強さもあった。このいい状態を保って、いいキャンプにしてほしい」と“新戦力の卵”出現に目を細めた。

尾形の武器は最速152キロの直球に、フォーク、カットボール。育成出身の剛腕で、闘志を表に出す投球スタイルに「自分は千賀さんと(守護神の)森さんを足して2で割ったような投手です」。ランニングメニューでは誰よりも速く常にトップだ。「目立たないといけないんです」。“収穫の秋”と呼ばれる秋季キャンプで「金の卵」が大アピールに成功した。【浦田由紀夫】

◆尾形崇斗(おがた・しゅうと)1999年(平11)5月15日、宮城・富谷町(現富谷市)生まれ。富ケ丘小4年から野球を始め、富谷二中では仙台広瀬ボーイズに所属し東北選抜。学法石川では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。3年の夏は県8強止まりも、17年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。181センチ、84キロ。右投げ左打ち。