阪神木浪聖也内野手(25)が、バットを迷いなく振り抜いた。強い打球は左前に勢いよく弾む。「シート打撃、そういうので結果が求められると思ったので、しっかり準備して臨むことが出来た」。高橋遥から左前打を放つと、浜地からも中前打。高知・安芸の秋季キャンプで初めて行われたシート打撃で、3打数2安打と猛アピールした。今キャンプでは「中途半端なスイングをしない。内から出す」ことにこだわり、早速練習の成果を出した。

守備ではこの日、遊撃の後に三塁も守った。今季は98試合に遊撃で出場。二塁もこなしたが、三塁での出場はなかった。選択肢を増やせば、スタメンの機会も増える。「守れるところを守りたいですけど、やっぱりショートを守りたいですね。競争が激しいので、それに勝つために自分のやるべきことをやっていきたい」。矢野監督は複数ポジションをナインに求めており、遊撃でも三塁でもレギュラーをつかむ可能性はある。

大きなライバルとなる北條も、この日のシート打撃で3打数2安打とアピール。俊足と守備範囲に定評がある植田は二遊間の候補で、4番候補の大山は三塁に位置する。矢野監督はそんなポジション争いを歓迎する。「北條の強みは作戦がいろいろ出来る部分。でも守備で言えば聖也(木浪)が上だと思うし。いろいろ個人差はあるし、競って。その中から決めていくことになると思う」。勝負の2年目へ。木浪が好調にバットとユーティリティーを武器に内野争いを勝ち抜く。【磯綾乃】

▽阪神北條(シート打撃で2安打) 体を追い込んで振り込んでいる中で、久しぶりの実戦だったんですけど、どんどん振っていくことが出来た。試合に出るために、1年間いい成績を残すために、という思いでやっている。自分自身がしっかりレベルアップしないと目標に近づけないので。