犬鷲の主砲が孤軍奮闘した。侍ジャパン浅村栄斗内野手が4打数3安打3打点と気を吐いた。

2点を追う4回2死三塁。米国2番手のメジャー69勝左腕リチャードの141キロツーシームを右前に打ち返した。「前後にいい打者がいる。今日は自分らしい打撃ができた」と1点差に詰め寄った。再び2点差とされた6回2死一塁では中越え適時二塁打。8回には1死三塁から左前に運び、チームの全打点を挙げた。

前夜も武骨なヒーローを貫いた。11日オーストラリア戦もロースコアの苦戦を強いられた。同点の8回2死満塁で押し出し四球を選び「全然ストライクがこなかったので、打つ気はなかったです」と、ふてぶてしく決勝点をもたらした。この日は追い上げが届かず1点差で敗戦。自身29回目の誕生日だったが大会初黒星を喫し「本当に悔しい結果になってしまったけど、終わったわけじゃない。切り替えてやっていきたい」と次戦以降を見据えた。

打線が波に乗りきれない中でクリーンアップの1つ後ろでバックアップ。決して多くは語らない生粋のバットマンが、持ち前の打棒で侍打線を活性化させる。【為田聡史】