不屈の決断で大台到達だ! 阪神梅野隆太郎捕手(28)が16日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、今季5000万円から倍増となる年俸1億円でサインした。「一流の証し」ともいわれる大台到達に「球団からしっかり評価していただいた。選手としては目標にしていたところ。非常にうれしいです」と笑顔を見せた。

大台到達の裏にはある決断があった。開幕4戦目の4月2日巨人戦(東京ドーム)の2回、三塁内野安打を放った際に、一塁ベースで巨人岡本と交錯して転倒。チームドクターによる診察結果は左足薬指の骨折だった。正捕手の長期離脱の危機。矢野監督は「最短で戻ってきてほしい」と梅野に声をかけた。梅野は「チームのためにも、自分で判断して決断しないといけなかった。その分岐点でいい決断ができたと思う。あの決断があるからこそ、今シーズンやりきれた。一番のポイントだった」。その後強行出場を続け、4月6日広島戦(マツダスタジアム)では猛打賞。9日のDeNА戦(甲子園)では史上69人目のサイクル安打を達成し、暫定首位打者にも立った。骨折は梅野にとって、奮起するためのターニングポイントだった。

今後に関しては梅野は「自分に対してプレッシャーを与えていかないといけない。金額とか評価をプレッシャーに感じながら、それをはねのけるくらいのプレーをする」と決意を新たにした。「今年は(キャリアハイの)数字が出たので、この数字を超える。今の成績を超えることでチームの戦力になると思う」と、来季は「自分越え」を目標に定めた。(金額は推定)