誠也との初タッグで打撃開眼だ。来季11年目の広島堂林翔太内野手(28)が25日、年明け宮崎県内で鈴木誠也外野手(25)らと行う合同自主トレへの意気込みを語った。ここ数年の停滞感打破のため、自ら動いた。日本の主砲に成長した後輩たちの合同トレ参加を直訴。誠也塾入門を決めた。鹿児島の護摩行で精神を鍛えた後、宮崎では若き主砲のもとで打力を磨き抜く。

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これまで広島を拠点に自主トレを行ってきた堂林が、年明けは自ら志願して「チーム・野間」に加わる。年下ながら広島だけでなく、日本の主砲となった鈴木らが集まる合同自主トレ参加を自ら志願した。最高の教材を前にして、年齢などは関係ない。純粋な打力向上の意欲が背中を押した。

「誠也という球界でもナンバーワンの打者の近くでやれるということなので、何かひとつでも吸収して、キャンプに臨んでいけたらと思っています」

3学年下の後輩で、入団時から鈴木は堂林を慕い、プライベートでも仲がいい。これまで何度も打撃論をかわしてきた。今では日本を代表する打者に成長した後輩に学ぶことはまだ多くある。「すごく引き出しが多いですし、後輩ですけど、何かを学んで自分のものにできたら」。同じ右打者として停滞感を打ち破るきっかけとしたい。

年内は例年通り広島でトレーニングを続け、1月上旬に鹿児島で会沢らと護摩行に臨む。精神修行を終えたあとに、そのまま宮崎県へ移動して合流する予定だ。「誠也が言っているように、一緒にやることによって、みんなが少しでも良くなって、全体的に良くなればチームもいい方向に行くと思います」。鈴木だけでなく、野間や曽根は練習の虫。堂林もチームで随一の練習量を誇るだけに、相乗効果も期待できそうだ。

今年は前年から試合数を大きく落とし、安打数は1軍デビューした12年以降初の1桁となる7安打。2年連続本塁打なしに終わった。「チームが苦しいとき、困ったときに起用される存在であれば、スタメンも増えてくる。どこのポジションを守るかは分かりませんけど、ライバルは多いので、そこを一つひとつクリアしていきたい」。三塁や一塁、外野などポジションは問わない。チャンスをうかがうため、鈴木とのタッグで20年型打法を固めていく。【前原淳】