ヤクルトのドラフト1位奥川恭伸投手(18=星稜)が6日、2軍キャンプ中の宮崎・西都原運動公園野球場で新人合同自主トレ中の1月中旬以来のキャッチボールを再開した。10メートル弱の距離からの軽いキャッチボールからはじめ、少しずつ距離を伸ばして、最後は30メートルからかなり強く腕を振った。ウオーミングアップを含めるとおよそ80球。

その後、西都市立穂北中で「野球にかける思い」と題したテーマで同校93人の生徒と触れ合った後でキャッチボールについて「まずまずです。感覚が良かった。これから強さ、距離を上げていきたい」と言った。

力は4割~5割で、指先のリリースに注意を払ったと振り返り「肘のことは何も考えずに投げられました。やっとという感じです」と、明るくキャッチボールを振り返った。

また、「野球にかける…」の中で今季の目標を「1軍の試合に出て3勝することです」と明言。その理由について「こうなったので3月の1軍は難しいと思います。暖かくなったら1軍に上がって、3つ勝てるようにしっかりやりたい。大谷さんもダルビッシュさんも1年目は(勝ち星は)1ケタだったと思います。田中将大さんは、すごかったですが、僕とは体の強さが違いますから」と言い、大谷、ダルビッシュ、田中将大という高いレベルを念頭に、臆せずに高卒ルーキー3勝の理由を説明した。

今後は2月中にブルペンに入ることを目標に、体の状態を見ながらキャッチボールの強度を上げていくことになる。

中学時代の目標を生徒に質問され「公務員」と答え、堅実な一面をのぞかせた。「公務員でも市役所を目指してました。市役所も大変ですが、教員だと勉強をもっとしないといけないですし、消防士や警察官は特殊で大変そうだと思っていました」と、楽しそうに理由を語った。終始、穏やかな表情で、2クール目初日にキャッチボールが再開できて、奥川もかなり自信を深めた様子だった。