#休校になった君たちへ-。西武栗山巧外野手(36)が、休校になった小学2年生の息子に出した宿題が予想外の形で返ってきた。プロ野球の開幕が延期になるなど新型コロナウイルスに影響を受ける私たちの日々の暮らし。栗山親子のように、絆を確かめる機会にできるといい。

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休校中の息子から届いた解答は、予想を大きく覆すものだった。栗山が小学2年生の長男に与えていた宿題。無観客試合となったオープン戦をテレビで見て、リポート提出することだった。遠征先にメールで届いたのは、広島戦を見た打者1人1人の結果と内容が書き込まれたものだった。「感想文かと思ったら、ホンマのリポートでした」。さらに驚いたのは中身以上に形。手書きではなく、パソコン打ちだったからだ。

ノートに鉛筆で書かれた感想文をイメージしていた。誤字脱字もきっとある。でも実際は、小学2年生の提出物はゴシック体の活字だった。「何しよるんかなと思ったら『こっちの方が書きやすい』って。ビックリしましたわ。嫁に教えてもらいながら書いたみたいです」。その話をとなりで聞いていた中村も「すごいな。小学2年生やろ? 俺でもできひんわ」と驚きの声を上げた。

少年野球に所属する子どもが、大好きな野球と向き合うきっかけになればと考え、発想し提案した。リアクションは予想外の形で成長を実感する結果となり「なんでこんなことができるのか?」。聞いてみると学校でパソコンの授業を行う取り組みや、内容が自然と見えてくる。「普段からコミュニケーションを取っている方だと思います。でもこういうことをやってみないと分からないこともあるんだなと」。8歳の息子の知らなかった一面を見た。

プロ野球は20日から開幕を迎えるはずだった。2月1日から始まった春季キャンプ。誰もが当たり前のようにプロ野球ができるものだと思っていた。だから、五輪イヤーで1週間早まった開幕を想定し自主トレから準備。プロ19年目の栗山も「早く実戦に慣れるにこしたことはない」と例年より前倒しで調整を進めてきた。その中で想定外の開幕延期だったが、親子が向き合う貴重な時間に変えた。

リポートに柳田、千賀、佐々木朗らの寸評が並ぶ中、栗山巧の欄には「家に帰ってきたら面白い。」とひと言。「なにげにこのコメントが一番うれしかったりしますね」と栗山。#休校になった君たちから-。元気をもらい力にする。【栗田成芳】