ロッテが開幕延期をプラスに使っている。18日のDeNAとの練習試合(横浜)は野手は若手中心。慶大初の育成選手で、育成ドラフト2位の植田将太捕手(22)が“1軍初打席”に立った。開幕日程が決まらない中、井口資仁監督(45)は1、2軍の選手入れ替えを活発に行う方針。非公式戦ならではの特性を生かして、若手への英才教育を実践中だ。

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背番号125のルーキー植田は、気持ちを引き締めて“1軍初打席”となる代打へ向かった。「育成選手なので、1軍には今しかいられない」。本来なら開幕2日前。シーズン中は支配下選手にならないと入れない1軍ベンチで「いい経験をさせてもらっています」と声を張っている。

練習試合は選手入れ替えの公示が不要だ。井口監督は「(1、2軍を)行ったり来たりは、かなりあると思います。1日限定も含めて」と、今後も多くの選手を1軍戦で確認する方針でいる。この日も茶谷や三家が合流した。開幕延期で偶然生まれたチャンスに、若手が目を輝かせる。

植田は昨春に右ひじのトミー・ジョン手術を受け、リハビリ中に入団した。「8割くらいです」という段階まで戻っているが、開幕前の支配下登録は現実的ではない。だからこそ感謝する。「当たり前のことを突き詰めてやっているように感じます」と1軍の全てから学んでいる。

8回2死一塁。初球の直球を「レフトスタンドへ」の意気で振ったら、結果は一塁ゴロだった。「あっち向いてホイ、でした」と苦笑いした打席は、忘れられない第1歩。本来なら1軍開幕戦だった福岡遠征にも帯同する。そうして得られる糧が、未来のマリーンズの礎になる。【金子真仁】

▽ロッテ二木(2ラン被弾で4回5安打2失点。岩下と先発ローテ枠争う)「3球までに追い込むのをテーマに投げて、ストライクをそろえ過ぎて勝負球の前に打たれた。まだ開幕が決まってないので、少しでも状態を上げていけたら」