各国のプロ野球リーグが新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕延期を続ける中、台湾プロ野球が12日、世界に先駆けて無観客で開幕した。11日に本拠地桃園市で富邦相手に開幕予定だった新規参入の楽天は、この日も雨で2日連続の中止となったが、中信兄弟-統一の1試合が台中市の洲際棒球場で行われた。

蔡英文総統(63)もテレビ観戦した一戦。中信兄弟の先発は、昨季まで2年間ソフトバンクに所属したアリエル・ミランダ(31)で、5回を1失点にまとめた。試合は両軍にソロアーチが飛び出し、1-1で白熱の延長戦に突入。統一が11回、元阪神の鄭凱文(ジェン・カイウン、31)らを攻めて3点を奪い、4-1で勝利を挙げた。

感染者が12日の段階で385人と、他国に比べて圧倒的に少ないことでたどりついた開幕戦。当初はシーズンチケット購入者の観戦を認める方針だったが、感染防止の観点から取りやめた。夏のオールスター戦開催は見送り、各チームが前後期全120試合を消化することを優先。台湾政府から外出禁止令が出た場合や、選手らチーム関係者に感染者が出た場合にはリーグは中断される。

連盟側も試合運営ができなくなるリスクを避けるため、職員、審判員、公式記録員をそれぞれ2つのグループに分けて一緒に行動しないなど、対策を講じている。