阪神能見篤史投手(40)が24日、甲子園での自主練習に参加後、オンライン取材に応じ、新型コロナウイルス感染から回復した藤浪晋太郎投手(26)ら3選手にエールを送った。

「次にどうするかが一番大事。しっかりとやってくれると思う」と今後の立ち居振る舞いに期待を込めた。3選手は鳴尾浜で退院後初めて、約1カ月ぶりとなる自主練習を再開し、再スタートを切った。

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能見は謝罪した3人を思いやる言葉をつないだ。

能見 本当にすみませんでした、ということを言われたので、本当に無事に帰ってきたというのがまず第一です。かかった人の苦しみは、僕は今かかっている状態ではないので、なかなか状況は分からないんですけども。

前日23日、新型コロナウイルス感染から回復した藤浪、伊藤隼、長坂の3選手が球団施設で会見。3月中旬に感染のリスクを高める大人数の会食に参加したことを謝罪した。3人は同日、甲子園で自主練習を行ったチームメートにも直接謝罪。能見は「これから頑張っていこう」と声を掛けたという。

能見 本当に終わったことは終わったことで、次にどうするかが一番大事なので。これからしっかりとやってくれると思いますし、本当にチームとして動いてるというところは、やっぱりあらためて僕らも再認識できたと思います。

会見の様子を報道で知り、思うこともあった。

能見 本人がどう感じるかだと思うので、これからはそのためにどう行動するかは非常に大事になる。本当に前向きにやってもらえたらいいかなと思います。

活動休止など能見自身も影響を受けたが、40歳のベテラン左腕は3人の背中を押す言葉を送った。優しくも、重く響くエールだ。

活動休止の約3週間は、ほとんど練習できない状況だったという。「なるべく(家から)出ないようにしてましたし、本当にほぼほぼ練習ができなかったというのが正直なところです」。感染しない、させないことを優先する日々。だがオフに積極的に投げ込みを行った自負があり、「リセットではないですね。投げた分は必ず(自分に)戻ってきますので」と前向きだ。

プロ野球は開幕が未定だが、23日の12球団代表者会議で初の無観客開幕が決まった。日本全体が暗い時だからこそ、野球で少しでも明るい話題を届けたい。「ただ、開幕っていうだけではいけないし、何かを感じてもらわないといけない。そのへんは、プロとしてやっていかないといけない」。藤浪ら3選手も含めた仲間と、今できる準備に励み、開幕に備える。【磯綾乃】