プロ野球独立リーグ、BC新潟は24日、長岡市内の野球場で練習した。3年目の小野竜世投手(24)はブルペンで気持ちの入った投球を見せた。父和義さん(54=西武編成担当)は、近鉄などで活躍した左腕投手。父と同じNPB入りへ、現役引退を懸けて6月中旬以降に開幕予定の新シーズンに挑む。

奥田昇大捕手(22)の構えるミットが乾いた音を立てた。「ナイスボール。ナイスボールです」という声が飛んだ。ブルペンで打者を置きながら、小野が目をつり上げて投げ続けた。実戦を想定して直球を主体にカーブ、カットボール、スプリット、シュートの切れ味を確認した。「今すぐ開幕しても問題ない。通常なら開幕しているから『物足りない感』がある。早く試合をしたい」。強い思いを、右肩に乗せた。

直球の最速は150キロ。計測以上に感じるボールの伸びが持ち味で、今季は速球に重さが加わった。「捕手に昨年より力強いボールがくる、と言われている」と言う。それだけ今季にかける姿勢はアクティブだ。新潟在籍3年目。「年齢的に今季がNPB入りできる最後。野球に携わりたいと思うけれど、ダメなら現役を引退する」と話した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今季の開幕は大幅に遅れている。ゲーム数の減少は必至だが意に介さない。「少ない場数でアピールできてこそ、一流。今年は(BCリーグ)NO・1(投手)になれると思うくらい」。約1カ月ぶりに19日から全体練習が始まったが、個人練習の間はバランスボールを購入してトレーニング。弱点と考えていた柔軟性も高めた。

NPBの近鉄などで活躍した左腕投手・父和義さんの現役時代を知らない。それでも残っている動画で体重移動、フォロースルーを参考にした。投球に関するアドバイスを受けた経験はないが「練習はウソをつかない」という父の言葉を胸に刻んで日々を過ごす。今季の目標は15勝、120奪三振の防御率1点台。そしてNPBのドラフト指名だ。「シーズン中にもうひと伸び、ふた伸びして、ドラフトで声をかけられたい」と小野は強い気持ちを口にした。【涌井幹雄】

◆小野竜世(おの・りゅうせい)1995年(平7)11月10日生まれ、東京都出身。初芝立命館(大阪)-大体大。昨季は24試合9勝3敗。92回2/3を投げて98奪三振、防御率3・01。右投げ左打ち。179センチ、76キロ。背番号24。血液型A。