阪神高山俊外野手(27)がレギュラー奪還に向けて猛アピールだ。

紅白戦は「1番右翼」で先発。快音を発したのは3回だ。無死一、二塁。迷わずに引っ張ると痛烈な打球が右翼線に延びる。コロナ禍の緊急事態宣言解除明け2戦目の実戦で鮮やかな適時二塁打だ。

高山 まずは野球ができる幸せをかみしめながら、自分のスイングを、しっかりいいスイングができた。毎日成長していかないといけない。毎日、毎日、うまくなるためにやっている。

5回も中前へ。いとも簡単に安打を放つなど、充実のマルチ安打。プロ5年目は不退転の決意だ。昨年12月、契約更改後にライバルの名前を挙げ「押しのけて『高山に勝てなかった』と言われるくらいに。それくらい自分にプレッシャーをかけてやりたい」と話した。群雄割拠の外野争いのまっただ中。2番有力の近本、福留や糸井…。だが、いまはあくまで自分自身と向き合う。この日も「やるのは自分」と言い切った。

16年の新人王で、バリバリの主力に君臨していても不思議ではない立場だ。だからこそ、矢野監督が求めるハードルも高い。「あれくらいは打つでしょう。こっちとしては、もっともっと圧倒的なモノを出してほしい」。6月2日は打席数確保のため、2軍の練習試合ソフトバンク戦(鳴尾浜)に出場する。

高山は言う。「やることは変わらない。自分の100%を出して、自分の状態をよくしていけたら」。6・19開幕、そして120試合シーズンへ。定位置を奪う戦いを力強く仕切り直した。【酒井俊作】