右胸の張りで別メニュー調整をしていた阪神藤浪晋太郎投手(26)が、約2週間ぶりの実戦で1回無失点と好投した。2軍の日本生命戦の3回から2番手でマウンドへ上がり、先頭の2番竹村を2球で二ゴロ。3番原田には甘く入ったフォークを中前へ運ばれたが、4番越智の打席で、捕手岡崎が原田の二盗を阻止。最後は外角の150キロ直球で空振り三振に仕留めた。

「とりあえず1イニングという形だったので、まずはしっかり投げられて良かったと思います」。全10球のうち7球は直球。キレのある直球をズバズバ投げ込み、最速は153キロを計測。球速には「別になんとも思わないです」と無関心だったが、荒々しい姿が垣間見えた。

藤浪は5月28日の1軍練習に遅刻。同29日からペナルティーで無期限の2軍降格となった。6月3日のソフトバンクとの2軍練習試合で右胸の張りを訴えて緊急降板。慎重にリハビリを重ねてこの日を迎えた。患部については「全然大丈夫です」と言い切った。

平田2軍監督は「故障明けのブランクを全く感じさせない。コントロールといい、球のスピードといい腕が振れている。なんの問題もなかったね」と太鼓判を押した。今後は中継ぎでイニング数を伸ばしていく予定。「自分のできることをやるだけ。一生懸命頑張りたいと思います」。開幕の日に藤浪も再スタートを切った。【只松憲】

▽阪神安藤2軍投手コーチ(藤浪について)「ボールも力強かったし、スピードも出ていた。直球にキレもあったし、状態は上がってきていると思います」