さあ熱パ到来だ! ロッテの若き4番安田尚憲内野手(21)が、ソフトバンク千賀滉大投手(27)を初対決で攻略した。初回に左翼へ適時打。7回1死二、三塁では左翼フェンス直撃の2点適時二塁打で、勝利を決定づけた。球界を代表する投手を打ち、7月18日以来1カ月ぶりの2位浮上に貢献。8月首位のロッテは19日に連勝すると、ソフトバンクと並んで7月3日以来の首位に立つ。

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安田はインパクトの瞬間、直球だと思った。「打ったあとにフォークって気付いて。どう打ったか全然覚えていないです」。初回2死三塁。無我夢中のスイングが先制打を生み、ロッテ打線に勇気を与えた。

千賀との初対決。初球の155キロは「手から離れた瞬間にミットに入っていました」と記憶する。「食らいつくしかない、考えても仕方ないなと」。第2、第3打席は凡退したが、ファウルで2球ずつ粘った。泥臭さが、7回の2点適時二塁打につながった。

51試合を終え、25試合連続で4番に座る。その間、21打点。すっかり板についた。8月上旬は少し苦しんだ。投手と向き合い、右手でバットを立て、左手でベルトを触っていた。今は左手は頭、胸の順に触れる。「バットが振れていなかったので、ちょっと意識を変えるつもりで」とルーティンも微調整した。

8月の得点圏打率は4割2分9厘と頼もしい。4番の好調に比例するように、8月のチームは10勝4敗1分けでリーグトップだ。19日も勝てば首位タイ浮上だが「毎日が必死です」と21歳は順位はさほど意識しない。

同期入団の和田が16日、初スタメンで3安打3盗塁3得点と大活躍した。「すごくうれしかったですね。ずっと一緒に練習してきて。僕も和田さんも、この1年にかける思いはすごく強かったと思うので」。

チーム打率も防御率も、まだ決して高くはない。ここ一番での若い力が、ロッテの夏を熱くしている。【金子真仁】

ロッテ井口監督(千賀攻略について)「打線が積極的にアプローチしてくれた。(安田は)チャンスにしっかり打点を挙げてくれていますし、頼もしい4番だなと思います」