阪神が8月長期ロードを8年ぶりに負け越した。前回登板でノーヒッターのヤクルト小川相手に先制、同点と食らい付いたが、もう1本が出ず、連勝は2で止まった。矢野燿大監督(51)は打線の“追い越し力”を課題に挙げた。2週間の遠征は6勝8敗1分けで、借金を2つ増やして3。ただ、開幕当初の長期ロードで4勝10敗の後、甲子園で借金を返済した。25日からは本拠地で3位中日と3連戦。V字回復よアゲイン!

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終盤に1点を争う展開で勝利の女神はほほえまなかった。同点の7回。マウンドには2番手ガンケルが上がっていた。来日初の3連投。2死一、三塁から一塁強襲安打。この失点が決勝点となった。8回には3番手岩崎が会心の当たりではなかったが、連打されるなど1失点。7回の坂口の打球もガンケルは詰まらせていた。だが、飛んだコースが一、二塁間方向。なんとも不運な形で、チームの連勝は2で止まった。

矢野監督 ガンケルも勝負に出た結果。優(岩崎)もちょっとアンラッキーなところもあったし、みんな精いっぱいやった結果。それは受け止めてるけど、やっぱり5回に一気に追い越せなかったのは。この1週間を振りかえっても、点を取るというところの課題はチームとして残っている。

指揮官が振り返ったのは小技で追いついた直後の場面だ。1点を追う5回は、先頭木浪が中前打。続く坂本の2球目にバスターエンドランが成功。さらに秋山のセーフティースクイズで同点とした。ただ、無死一、二塁から勝ち越しとはいかなかった。

矢野監督 ああいうところで一気に追い越せるようにしていかないと。そんなにチャンスも何回も何回もあるわけじゃないので、そこは課題かな。

前回登板でノーヒットノーランを達成した小川から初回に得点するなど出だしは良かったが、徐々にペースに引き込まれてしまった。

これで甲子園を離れた8月の長期ロード15試合は6勝8敗1分けで、8年ぶりの負け越しとなった。だが、25日は甲子園に帰っての中日戦だ。19日ぶりの本拠地ゲーム。思い返せば、開幕から5カード連続ビジターで4勝10敗だったチームは、その後の甲子園13試合で9勝3敗1分けと息を吹き返した。借金は3となったが、この日は首位巨人も敗れ、Gとの6・5ゲーム差は変わらなかった。再び甲子園から反攻の歩みを強めていきたい。【松井周治】

▼阪神は甲子園での今季19試合で、11勝6敗2分け、貯金5の勝率6割4分7厘と好成績だ。チーム打率は2割6分5厘で、他球場の2割2分6厘を大きく上回る。19本塁打が出ており、貧打に泣いた18年のシーズン18本塁打を既に上回っている。甲子園でのチーム防御率は2・77で、他球場の4・16から大幅に向上。地の利を生かして投打がバランスよくかみ合い、白星を積み重ねている。