4安打5打点の固め打ちで自力V消滅の危機を救った。ヤクルト山田哲は1点リードの2回2死満塁、2ボールから外角高めの直球を右翼席までかっ飛ばした。

「角度もついていたのでいったと思った。久しぶりにいい打撃ができてホッとしてます」。DeNA阪口をこの回限りでKOし、ベンチ前でこぶしを掲げた。

チームは雄平の犠飛で5試合ぶりの先制に成功。ここから中押しグランドスラム、ダメ押し適時打と、右へ左へ打ちまくった。満塁弾通算8本は池山2軍監督の10本に次ぐ球団史上2位。シーズンでも2発目で、今季3度目の3番起用に応えた。上半身のコンディション不良で離脱もあった。「迷惑ばかり掛けて、今年はこういう年なのかなと思ってしまっていた。今日こうして活躍できて、残りの半分もこういう試合をたくさんできたら」。

120試合制のシーズンは折り返しの60戦目。敗れれば、今季ワーストの6連敗に自力優勝消滅と、不名誉な節目になるところだった。高津監督は「1週間ぶりの勝ちでみんな笑顔が戻った。8月は負けこんでしんどい月でしたけど、月が変わって流れも変わって、チームが良い方向に向かうことを期待している」と、久々の投打のかみ合いに安堵(あんど)した。

「投」を小川が立て直し「打」を山田哲が支えた。6試合連続安打、2試合連続マルチで「今は最下位ですけどあきらめず、1戦1戦集中して戦いたい」。山田哲が上向けば、チームも上を向く。【鎌田良美】