阪神のエース西勇輝投手(29)が、今季初の完封勝利を挙げた。 立ち上がりから安定感抜群。今季4戦2勝と得意にしていた鯉打線を手玉に取った。許した安打は4本のみ。19年4月7日広島戦(マツダ)以来、自身8度目の完封勝利で通算90勝目を達成した。

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9回、あわやホームランの打球を中堅手近本がフェンスに激突しながら好捕すると、エースはしきりに拍手を送った。頭の上で30回。近本の無事を確認すると、また10回手をたたいた。「本当に味方のいいプレーが出た。リズム良くできたというのが一番です」。阪神西勇輝投手(29)が今季チーム一番乗りとなる完封勝利を挙げた。

立ち上がりから持ち味全開。多彩な変化球を低めに集めた。許した安打は4本のみ。うち3本で出した走者は併殺で片づけた。「コントロールが良かった」。19年4月7日の広島戦(マツダスタジアム)以来、自身8度目の完封勝利。甲子園ではプロ12年目で初だった。「本当に完投できるってなかなか難しい時代になってきた。その完投ができたプラスこの13連戦。中継ぎを休ませることができたっていうのはすごく大きい」。エースとして、ひとりの先発陣として、西勇は最後までマウンドをゆずらなかった。

矢野監督も「中継ぎも登板が多かったので、みんな休めて勝てたっていうのは本当に大きい」と通算90勝目となったエースをたたえた。奇跡の逆転Vはまだ諦めていない。マウンドに立ち続けたエースが、その気概を証明した。【只松憲】