また、天敵にやられた…。日本ハムはロッテ19回戦(札幌ドーム)で1点差負けを喫した。攻守でロッテ・マーティンに試合の流れを奪われた。3点を追う初回1死二、三塁では、犠飛による三塁走者の生還を阻止され、9回には右翼席へ24号ソロを打たれて大きな4点目を失った。上位2チームと戦う大事な6連戦初戦を落としたチームは、30日にも自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅する。

   ◇   ◇   ◇

どうしても、日本ハムがロッテ・マーティンの躍動を止められない。栗山監督は「野球は結果論だから。(元巨人の)藤田監督が過程は大事、でも全ては結果だと。その通りなんだ。けど、過程を大事にしないと結果にはつながらない」と試合後に言った。結果として1点差負けの試合だったからこそ、相手助っ人の活躍ぶりが際だってしまう。

3点を追う初回は、その強肩で1点を阻止された。1死二、三塁の好機で中田が右飛。やや浅めの飛球ではあったが、三塁走者の平沼はタッチアップし、ストライク送球で本塁憤死に。ロッテ先発の石川にもリズムを与えて、8回途中まで快投を許してしまった。

9回には、最も警戒しなければいけなかった本塁打を浴びた。3番手でマウンドに上がった秋吉がリズムよく2死を奪い、迎えたのがマーティン。1ボールからの2球目、131キロのチェンジアップが甘く入ったところを捉えられた。右翼席へ24号ソロを被弾。8回に1点差に詰め寄った直後だけに、手痛い失投で試合の流れを引き戻された。

初回の攻撃も送球がそれれば1点入る可能性はあったが、今季は同様のケースでレーザービームを食らった試合もあった。9回はブルペンに左投手の公文、現状は抑え役を務める宮西も残っていた。今季は要所で手痛い目に遭っているマーティンを抑え込む手はあったかもしれない-。結果論だが、余力を残したままに見える敗戦は悔しさが大きい。「1つ1つ(の勝敗)が重くなっていく時期。まだまだ、これからなので頑張ります」と栗山監督は言った。今季はCSに進出できるのが2位まで。アクセルを踏む時期だ。【木下大輔】