鬼門甲子園での連敗を9で止めたのは、やはりエース中日大野雄大投手だった。

唯一のピンチは7回先頭北條に左前打を許した場面。それでも大山は遊飛、サンズを併殺に打ち取った。9回2安打完封。今季7勝目を手にした。「野手が守ってくれて、初回に先制してくれて、楽に投げられた」。今季最少107球の省エネ完投。6連戦の中でリリーフ陣に休養をプレゼントした。

15年7月8日以来の甲子園での白星にも「嫌いでも、いやなイメージもない。何とか俺で勝ちたかった」と、チームが勝てない敵地でも意に介さなかった。プロ初勝利の地で打席の思い出も作れた。5回2死一、二塁でプロ入り初の三塁打。「中学生以来じゃないですか」と、頭をかいた。

ハーラーは巨人菅野が独走する。それでも大野雄は巨人エースを5つ上回る8完投、115奪三振でリーグ首位。この日の完封で菅野を上回るキャリアハイの4完封も決めた。3位DeNAには1・5差。「残り試合1つも落とさないつもりでやる。全部勝つつもりでやる。借金なしのAクラスにいかないと」。ミスター完投は、まだまだ数字を積み重ねる。

中日与田監督(大野雄の完封に)「いい意味での脱力感があった。球数も少なく不安はなかった」