巨人がドタバタの“右脇キャッチ”幕切れで優勝へのマジックを19とした。7点リードの9回に堀岡と宮国で4点を返され、3点差に迫られた。2死走者なしからリリーフカーに乗って出てきたのは左腕のセットアッパー中川。だがベンチの原監督は血相を変えて指示を送り直す。中川は小走りでベンチに下がり、守護神デラロサが再びリリーフカーに乗って現れた。

敵地甲子園は騒然。原監督は「僕と宮本(投手チーフコーチ)の間では意思疎通はできていた。その次に送った人が中川って言ったみたいなんだよね。中川に罪はない。むしろベンチが悪い」と受け止めた。急きょ登板したデラロサは阪神北條を内野フライに打ち取ったが、一塁手のウレーニャと三塁手の田中俊が交錯。互いにグラブには収まらず、お手玉したボールが、倒れ込んだ田中俊の腹をつたい最後は右脇で止まってゲームセットとなった。元木ヘッドコーチは「ウレーニャも張り切る気持ちは分かるけど、あれはサードボール。落とす、落とさないじゃない。情けない。みっともないよ」と指摘した。

最後は思わぬドタバタとなったが、中盤はプロの技術がぎっしり詰まったプレーが続出した。2点リードの5回2死一塁では中堅フェンス直撃の打球を丸-坂本と中継し、昨季の盗塁王近本を本塁で刺した。6回2死一、三塁では松原が右中間への打球をダイビングキャッチ。今季12球団最少28失策の守備力でもり立てただけに、9回は投手を含めて課題が残った。原監督は自らの手で右太ももを強くたたき「締まりの悪いゲームになった」と厳しく言った。【前田祐輔】