プロ野球ドラフト会議で、最速146キロの道内高校屈指の左腕、苫小牧中央・根本悠楓投手(3年)が日本ハム5位で指名された。同校からは初のプロ野球選手。日本ハムは1位の伊藤、6位のJFE東日本・今川優馬外野手(23=東海大四、東海大北海道)を含め、球団史上最多3人の道産子を指名した。また星槎道都大の192センチ右腕、河村説人(ときと=4年、白樺学園)はロッテ4位で指名された。

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午後6時50分、静まり返っていた苫小牧中央の室内練習場に、歓声が上がった。地元・日本ハムの5位指名。根本は「いつ呼ばれるのか不安だった。とてもほっとした。日本ハムは小学校のときからずっと見てきた球団。雰囲気もいいと聞いていたので、本当にうれしいです」。緊張から開放され、一気に笑みが広がった。野球部員50人に抱え上げられ、喜びを分かち合った。

全国制覇した白老白翔中3年時、U-15日本代表で指導を受けたのが現日本ハム武田勝投手コーチだった。プロとなり、再会が実現しそうだ。「同じ左腕として、プロでどうしたら長く活躍できるのか聞いてみたい」。夢はまだまだ、ふくらむ。「有原選手とか、たくさんの投手に変化球のコツを聞いてみたい」と対面を心待ちにした。

2歳から祖母宅の隣にある、水産加工場のブロック塀の染みを目がけてゴムボールを投げ込んだ。虎杖浜小に上がると、土日は1日5時間にも及ぶこともあった。「ここでボールを離せば、あそこにいくという感覚は、そのときの経験が生きている」。球威だけでなく、速球を狙った所に決めきれる制球力が、プロの心をつかんだ。

北海道からは同時に3人が日本ハムの指名を受けた。3年後、北広島に完成する新球場を見据え「たくさんの北海道出身選手で、盛り上げていけたら。将来は最多勝が取れるような投手になりたい」。小学校時代は同級生が少なく、オフの日はたった1人でグラウンドでノックをしては、ボールを拾っていた。これからは、北海道中のファンに囲まれながら、努力の成果を披露していく。【永野高輔】

◆根本悠楓(ねもと・はるか)2003年(平15)3月31日、白老町生まれ。白老虎杖浜小1年から虎杖浜タイガースで野球を始める。投手は小学3年から。白老白翔中3年時の春と夏に全国大会出場。優勝した夏は決勝で完全試合を達成した。17年にU-15アジア選手権日本代表として3試合に登板し、全勝優勝に貢献。苫小牧中央では1年夏からベンチ入り。今夏、道高野連独自開催の南北海道大会で8強。血液型O。家族は両親と妹。173センチ、78キロ。左投げ左打ち。