来季、先発で完全復活! 甲子園での秋季練習に参加中の阪神藤浪晋太郎投手(26)が24日、来季への決意表明した。今季は9月下旬に中継ぎに配置転換されてから好調を維持し、先発復帰後も快投を続けた。「先発でやりたい」と慣れ親しんだポジションでの完全復活を誓った。矢野燿大監督(51)が習得を勧めていた「縦スラ」にも、思いを同じくした。

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完全復活への土台は出来上がった。今季1勝6敗の数字以上に、藤浪が手にしたものは大きい。

「数字的には全然物足りないですし、反省点が多いシーズンでした。最後のほうは感覚がよかったので、来年につながってくるシーズンだったかなとは思います」。

9月下旬に中継ぎに配置転換されると、13試合の救援で失点は2試合のみ。先発復帰後の3戦も計15回を自責点0と、好感触のままシーズンを終えた。矢野監督は今月16日、来季の先発スタートを明言。この日、藤浪自身も改めて決意表明した。「先発でやりたいと思っています」。初めての経験でつかんだきっかけを、こだわってきたポジションでの飛躍につなげる。

10月に球団最速となる162キロをマークするなど、トレードマークの剛速球は今季も健在。シーズン終盤には、フォークなど変化球の制球力も向上し、投球の幅も広がった。「やっぱり真っすぐ1本じゃ厳しい時代。真っすぐが速ければいいという時代はもう終わったと思ってるので。そのへん(変化球)がしっかりコントロールできたところが、後半の良かったところかなと思います」。来季のさらなる進化へ、キーポイントは「縦スラ」だ。

矢野監督は藤浪の来季の課題を問われた際、斜めに落ちる「縦スラ」の習得を期待した。右腕も指揮官の思いに同意する。「元々自分のスライダーは、斜めに曲がってるぐらいが一番調子のいい時だと思ってる。自分もそういう考えです」。調子が良くない時は「横スラ」のような状態。「縦スラ」を1年間投げることが出来れば、武器はまた増える。

秋季練習では、守備練習や体力面を強化するトレーニングに時間を割いている。苦闘の末に得た経験を手に、完全復活の21年へ向かう。【磯綾乃】