5年連続日本一を狙うソフトバンクは3日、来季のヘッドコーチに、球団OBで前日本代表監督・小久保裕紀氏(49)の就任を発表した。背番号は侍ジャパン監督時代の「90」。ペイペイドーム内で就任会見を行い、「球界のリーダー」になることをナインに求めた。現役時代にはソフトバンク、巨人で主将を務めるなど強烈なキャプテンシーを発揮してきた新ヘッドが9年ぶりの古巣復帰でその手腕を発揮する。

  ◇   ◇   ◇

小久保新ヘッドコーチはチームカラーの黄色いネクタイを締め、声を弾ませた。「いよいよかなという気持ち。興奮している、ワクワクしているという気持ちです」。12年に現役引退してから9年ぶり。球団史に残るリーダーが古巣に帰ってきた。

ダイエーで00年から3年間、選手会長。04年に無償トレードで巨人移籍すると、06年に巨人の移籍選手として初の主将に指名された。ソフトバンク復帰後、09年には秋山監督の指名でキャプテンを務めた。引退後は侍ジャパン監督も経験した「リーダー」は、日本シリーズ5連覇を目指すチームに「リーダー集団」になることを求めた。

「強いのはもう当たり前で、強くなくちゃいけない。強い中で、球界のリーダー的な存在として引っ張るチームになってきた。自分たちが球界を引っ張るんだという自覚、そういうものを主力選手が持てるような組織にしたい」

ダイエーでの現役時代、当時の王監督からの言葉が頭に残る。「『ベテラン選手、中心選手が手本になれ、背中を見せろ』というところをずっと言われ続けてきた」。だからこそ、プレー以上に、人間としての在り方を重要視する。「ベテラン、主力が腫れ物に触るような存在になってはいけない。侍の時にも求めてきたポリシー。そういう選手を作らないことがぼくの役割」。あらゆる世代の力が融合し、スムーズに新陳代謝ができる。そんなチーム作りを思い描いた。

チームをそこに導くのが小久保氏の役割だ。「しっかり厳しさと愛を兼ね備えた、そういう存在でいたいなと思います。入って負けたと言われたくない。チームがいい方向に向かっていけるように、球界のリーダーとして引っ張っていけるように、手助けができれば」。希代のキャプテンシーを注入し、「常勝軍団」をさらに強固なものにする。【山本大地】