開幕モウダッシュで丑(うし)年に輝くぞ! オリックス中嶋聡新監督(51)が、開幕好スタートの誓いを立てた。東京五輪で7月中旬から約1カ月間プロ野球が中断されることを踏まえ、前半戦で好位置につけることが重要と力説。不調に終わった大物助っ人のアダム・ジョーンズ外野手(35)にもムチを入れ、25年ぶりのリーグ優勝を目指す。【取材・構成=真柴健】

25年ぶりV奪回へ、中嶋監督は明確なビジョンを描いていた。「オリンピックイヤーになるので、“前期”と“後期”がある。前期に乗り遅れたら、取り返しがきかなくなる。どのチームも(開幕に)トップギアで入ってくる」。今季は東京五輪を考慮し、7月19日から8月12日まで中断される。その中断前の前半戦(前期)を、どれだけ好位置で折り返せるかが重要と力を込めた。

「そこ(五輪期間)で休んで後期に入れるので、乗り遅れるわけには絶対にいかない。キャンプの入り方も非常に大事になる」。前半終了時の上位チームは、高いモチベーションを維持できる。だが負けが込んだチームは1カ月の中断でさらに気持ちの持ちようが難しくなる。つまり、開幕ダッシュの成否が、シーズンの明暗を分ける可能性が高い。指揮官は表情を引き締めた。

開幕ダッシュには大物助っ人の覚醒が必要だ。メジャー通算282本塁打のジョーンズは昨季、主に4番を任されたが、出場87試合で打率2割5分8厘、12本塁打、43打点と日本野球に苦しんだ。中嶋監督は「本当に、体調面さえ良ければ、技術的なものは持っている選手」としながら、「マックスに近い入りは大切になる。そこも話し合っていく」と愛のムチを打つ。打線の軸を担うジョーンズが復調すれば、吉田正、T-岡田らとの相乗効果で得点力アップが期待できる。

「バランスを目指して走攻守をそろえていく。打てなかったから得点力だけ上げるとか、守れなかったから守りを固めるとかではない。バランスよくやることが、勝つのに一番近い」。チーム全体の底上げにも力を入れ、新生オリックスが開幕ダッシュで波に乗る。