阪神と日本ハム、米大リーグでプレーした新庄剛志氏(49)が12日、古巣阪神の沖縄・宜野座キャンプを電撃的に訪れた。昨年12月に12球団合同トライアウトを受けたがオファーはなく、現役復帰を断念。常に新しいことに挑戦する新庄氏が今回選んだのは日本ハム時代の06年以来、15年ぶりのキャンプ地訪問だった。

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阪神糸井嘉男外手(39)が新庄氏との再会に心を躍らせた。引退後は初対面で「いやもう感激していますよ」と喜んだ。12球団トライアウトに挑戦した新庄氏の映像も全て見た。「刺激的ですね。相当、刺激的ですね。何でも行動に移される方なんで。何でも思ったこと言われるんで。インタビュー怖かったですけどね」。TBS系の番組企画で取材を受け、話の弾んだ時間をうれしそうに振り返った。

日本ハムに自由獲得枠で入団した1年目の04年にメジャー帰りの新庄氏も新加入。「新庄さんで育っているんで。あんだけの札幌ドームを満員にされた方。2軍の選手からしたら、やっぱりああいうところでしたいと思わせてくれた。特別な存在です」。特別な「同期」の先輩からは特別な激励も受けた。「引退するぐらいの気持ちでやれと言われました。そしたら痛いところなくなる。何となく分かるような気がします」。昨季は膝に水がたまった状態でプレーを続けた糸井を思っての言葉だった。

午前は今キャンプ初めて外野ノックに参加。「もちろん僕もアピールしていかないといけない」と今後の実戦形式へ意欲を高めた。「見るだけでパワーになります」というスターからさらなる活力を得た。【磯綾乃】