阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、昨季セ・リーグ新人王の広島森下を打った。「3番左翼」で先発。初回2死無走者でカウント2-2から外角150キロ直球をフルスイングで捉え、鋭いライナーで右中間に運ぶ二塁打。これで7戦連続安打とした。「甘いところをしっかり捉えられたのは良かったかなと思います」。2人は18年の侍ジャパン大学代表のチームメートで対戦は今回が初めて。自らも今季の目標に掲げるタイトルに輝いた先輩投手をいきなり攻略した。

6回2死二塁の第4打席では右腕ケムナから左前適時打を放ち、3戦連続で打点を挙げた。5打数2安打1打点で、実戦8試合の打率は4割6分6厘とハイアベレージをキープ。内角攻めなど次第に配球も厳しくなる中で結果を残し続け、広島岩本スコアラーは「どういう風に攻めていかないといけないのか。いいバッターなので本当に考えさせられます」と警戒を強めた。

森下は昨季、阪神戦に4度先発して3勝した「虎キラー」。矢野監督は佐藤輝の森下打ちを含む2安打に「大したもん」と高く評価。その中で今後へのうれしい悩みも語った。「もっともっと攻めが厳しくなる。相手はどんどん開幕までに試してくる。このままいってくれたらうれしい部分もあるし、早く壁にぶち当たってくれたらいいのになというのもある。どっちにしろ、試合をやるたびに見ていて楽しみな選手だなと」。

指揮官のぜいたくな心配も、怪物新人は自らを理解している。相手バッテリーは森下が得意とするカーブを1球も見せてこなかった。3回は内野に打ち上げさせられた(記録は敵失)。「シーズンはもっと違う球を投げてくると思う。油断はできないです」。結果に慢心することなく、背番号8は先のシーズンをどっしりと見据えた。【奥田隼人】

▽広島森下「(体が)大きいですし、しっかりと踏み込んでくる。いいバッターだなと思います」