9年ぶり18度目出場の藤枝高洲中が、逆転サヨナラ勝ちで初戦を突破した。1点を追う最終7回1死一、三塁で、5番大石高志郎投手(2年)が右へ同点適時二塁打。続く6番土屋亮太外野手(2年)がスクイズを決め、勝負を決めた。31年ぶり出場の沼津長井崎中と14年ぶり出場の静岡観山中は、ともに敗退。8強入りを懸けた2回戦8試合は27日に行われる。【河合萌彦】

■藤枝高洲中2x-1沼津長井崎中

藤枝高洲中の土屋は、サヨナラ勝ちの瞬間を振り返り「フライを上げなくてよかった」と安堵(あんど)の笑顔。沼野裕行監督(28)が「彼はバント職人」と認める力を発揮し、「この勝ちでチームに勢いがついたと思う」と次戦以降への自信を漂わせた。

このサヨナラ劇を演出したのが、大石だった。1点を追う6回1死二、三塁で登板。この回を打者2人でしのぎ、続く7回を3人で抑え、チームに流れを引き寄せた。最終回の攻撃では、風の力も借りて同点打。「打った瞬間は『まずい』と思ったが、いい風が吹いてくれました」と振り返った。

チームは昨秋、新人戦の市内大会準決勝で敗退し、中部地区大会出場を逃した。その悔しさを力に変え、冬の間に成長。最後まで諦めない姿勢も後押しし、勝利をもぎとった。培った底力を武器に2001年(平13)以来、20年ぶりの優勝に向けて最高のスタートを切った。

■相良中・牧之原中2-1伊東南中

相良中・牧之原中のエース今村優成投手(2年)の力投が、勝利を引き寄せた。3回まで4安打1失点も、4回以降は1安打無失点と立て直した。終盤に打線も奮起し、逆転に成功した。「序盤は緊張して高めに浮いたが、リリース点を修正して良くなった」と今村。御殿場富士岡中との2回戦に向け「この1週間で課題点を直したい。(緊張については)もう大丈夫です」と力を込めた。