日本ハム中田翔内野手(31)が“ゴミ状態”を脱却した。DeNA戦(横浜)の初回1死一、二塁で、左翼へオープン戦1号3ランを放った。3回にも左翼フェンス直撃の適時打を放ち、2打数2安打4打点でお役御免。キャンプ終了時は「ゴミですね」と自虐した打撃の状態は復調気配。昨季のようなレベチ(レベルが違うの意)な感覚がよみがえってきた。

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試行錯誤しながら、最後は自分のスイングで仕留めた。初回1死一、二塁。「フォークが浮いてきた。よく反応できたと思う」。3球で追い込まれた後ファウルで粘って6球目。打球は左翼ポールを巻くようにスタンド中段で跳ねた。1球ずつ「スタンス幅から足の上げ方、足を上げる長さ。全て変えていた」。打席内での微調整が、ハマった。

3回2死三塁の第2打席も、初球はスタンスを狭めたが「全然、合わなかった」。続く2球目は昨季までと同じタイミングの取り方で左翼フェンス直撃の適時打。「結局、打ったのは両方、自分のフォーム」とドヤ顔で言ったが、スムーズにバットを出せた2打席に手応えを感じていた。

中田 いかにフォームが自分にハマっているか。足を上げて打ちにいくまでに、ハマっている時はスムーズに打ちにいけている。今日にしても、その感覚があったりなかったり。もうちょっとかな。ゆったりボールを見られるようになっている。徐々に段階を踏んで…何の問題もないと思う。

沖縄・名護キャンプ終了時は自らの状態を「ゴミですね」と斬り捨てるほど「あれ、どうしたんだろうって思っていた」。キャンプ打ち上げ後は札幌ドームで早出練習に取り組み、ロングティーなどで打撃の形を確認。試合出場を続けながら「去年と同じような感覚で打撃練習もできている」と、昨季のようなレベチな感覚を取り戻してきた。

栗山監督は中田に1つだけ注文を出した。「あまり悪いことを考えなくていい。ショウの場合、自分の感覚がちょっとズレているだけで悪く感じてしまう」と、考えすぎないことを求めた。中田はオープン戦が残り9試合あることを踏まえて「少なくても(開幕までに)20打席くらいは立つわけだから。こんな感じでいいんじゃないの、って」と自信を持って言った。あとは心身ともレベチ状態へ上げきるだけだ。【木下大輔】