2年前の悪夢を振り払った。開幕投手が決まっている日本ハム上沢直之投手(27)が10日、DeNAとのオープン戦(横浜)に先発。同球場は19年6月18日の交流戦で打球が左膝を直撃し、選手生命の危機に立つ大けがを負った場所。「久しぶりに投げるなという感じはあった。無事に終わってくれたらいいかなと思っていた」。試合前には当時のことが脳裏をよぎったが「マウンドに上がったらそんなに意識しなかった」。6回無失点と好投し、ほっとした様子をみせた。

序盤からチェンジアップが高めに浮き、制球に苦しんだ。走者を背負っての投球が続いたが、それでもエースらしい投球で要所を締めた。宮崎、倉本に連打を浴びた4回1死満塁が最大のピンチ。「ランナーを出してからいかに粘れるかが大事。あそこで少しギアを上げて、三振を2つ取れたのは理想的だった」。田中俊を147キロで見逃し、山本を148キロ。ともに直球で連続三振に抑えた。

6回には細川の打球が上沢の前に飛び、栗山監督は「ヒヤッとした」と振り返ったが、無事に投ゴロに処理し3者凡退締め。指揮官は「ドキドキしたけど、無事にいいピッチングでよかったですね」と胸をなで下ろした。

今季は実戦4試合、17イニング連続無失点中。最多の100球を投げた上沢は「今のところ順調に来ているかな」。近づく開幕へ準備は着々と進んでいる。