阪神がオリックスに引き分け、9勝2敗2分けで5年ぶりにオープン戦で「優勝」した。けん引したのは6本塁打を放ったドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)。蓄積疲労や体の張りのため最終戦を欠場したが、66年ドラフト制後初めて新人で「本塁打王」に輝いた。58年に新人だった巨人長嶋が記録した7本にあと1本まで迫ったルーキーは「オープン戦の数字なので、もちろん大事なのはこれからですけど、そういう数字を残せたことは1つの自信にはなりました」と素直な気持ちを明かした。

全国的に注目される中、17日西武戦で6号ソロを放った後は11打席無安打。21日の試合前は右翼でノックを受けていたが、コンディションを考慮され、大事を取ってベンチからも外れた。矢野監督は「今日、テル(佐藤輝)を見に来たファンには申し訳ないけど、ここで無理させても…」と開幕をベストで迎えるための決断だったと明かした。

オープン戦での45打席は4番大山の47打席に次いでチーム2位。経験を重ねて手応えと課題の両方を得た。「甘いところに来た球はしっかり自分のスイングができれば捉えることができると感じた。足りていない部分はいっぱいある。一発でとらえる確率、ボール球をしっかり見極める力は磨いていかなければ」。12試合で打率は3割2厘、ともにチームトップの6本塁打と9打点。26日の開幕に向けて「打撃フォームだったり、コンディションも含め万全の状態で臨みたい」と意欲を燃やした。16年ぶりのリーグ優勝にも貢献するため、状態を整える。【石橋隆雄】

▼佐藤輝が6本塁打の阪神がオープン戦1位。阪神のオープン戦1位は16年以来となり、阪神選手のオープン戦本塁打王は17年高山以来。新人がオープン戦の本塁打王は58年に7本の長嶋(巨人)以来で、ドラフト制後(66年以降)は初めてだ。長嶋は本番で29本塁打を記録し、オープン戦と公式戦の両方で本塁打王を獲得したが、佐藤輝はどうか。ちなみに、オープン戦と公式戦の「ダブル優勝」は15年ソフトバンク、「ダブル本塁打王」は02年松井(巨人=OP戦6本、公式戦50本)を最後に出ていない。

▼阪神がセ・リーグ優勝を果たした5シーズンのオープン戦では、62年3位、64年5位、85年7位、03年3位、05年4位と、1位だった例はない。阪神が公式戦でも優勝を飾れば、2リーグ分立後初のダブル制覇となる。

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