新規社会人野球チームの茨城日産に最速149キロ左腕がいた。入江空投手(22=作新学院大)だ。4-1の8回、4番手で登板。先頭にチェンジアップを右前へ運ばれたが、後続を空振り三振、右飛、見逃し三振に抑え、0でつないだ。

先頭への6球目だった。「力を入れよう」と腕を振ったら、試合での自己最速を1キロ更新する149キロが出た(結果はファウル)。無失点で終え「2年のブランクの割には、四球もなくて良かったです」と胸をなで下ろした。

宇都宮工から作新学院大に進み、2年秋から主戦を務めた。関甲新学生野球リーグで5勝を重ねたが、3年秋に左肩炎症。4年秋に「引退試合」として短いイニングを投げたことはあったが、本格的な登板からは遠ざかった。「上で野球を続けたい」と願う中、同じ北関東に出来る茨城日産と縁がつながった。

チームは3月末に全員集合したばかり。入江は現在、営業の研修を受けながら、野球を続けている。「1カ月前と比べ、車の知識がつきました。保険の勉強もしないといけません」。練習は、午後6時まで働いてから。仕事と野球の両立へ忙しい毎日だが、顔は充実感にあふれていた。

左で150キロ近く。大学時代、プロのスカウトが視察に訪れていた。肩痛からの復帰は果たした。社会人野球でもまれ、成長していけば、来秋のドラフト候補に浮上する可能性はありそうだ。

◆入江空(いりえ・そら)1998年(平10)11月3日生まれ。栃木・宇都宮市出身。小学4年の時、梁瀬スポーツで野球を始める。旭中、宇都宮工から作新学院大へ。50メートル走6秒2、遠投120メートル。目標の選手は、ソフトバンク・モイネロ。178センチ、82キロ。左投げ左打ち。