巨人は6点を追う8回裏以降に、6選手をつぎ込む執念の采配も実らず惜敗した。8回、2点を返してなお2死一塁から代打攻勢を仕掛けた。投手の大江のところで今季初めてスタメンを外れた坂本が代打で出場し四球を選ぶと、代走には走塁のスペシャリスト増田大が送られた。

2死一、二塁、広岡の代打吉川が三遊間を破る適時左前打を放ち3点差とすると、続く岸田の代打亀井が放った遊撃深くの打球を、小園が弾く間(記録は適時二塁打)に2点差に迫った。2死二、三塁から中島が左中間フェンス直撃の2点適時二塁打を放ち、同点とした。

9回の守備では亀井に代わり捕手に炭谷、増田大が遊撃に入り、遊撃吉川が二塁に、二塁の若林が一塁、一塁の中島に代わり投手中川が入る大シャッフルが行われた。この日出場したのはベンチ入り26人中22人。野手は香月が残るだけだった。4都府県に緊急事態宣言が発出され、同宣言期間中は原則無観客開催だが、この日は政府から告知期間が短く混乱が生じる可能性があるとして有観客での開催が認められた最後の試合。本拠地のファンの前で6点差を追い上げる執念を見せたが、9回に勝ち越しを許し、勝利で飾ることはできなかった。