“村神様”の御利益で、ヤクルトは18年以来の5連勝を決めた。1-1の4回、先頭の村上は、中日小笠原の外角低めのチェンジアップに、体勢を崩されながら、払うようにスイング。右翼席へ運んだ。リーグトップに並ぶ8号に「粘ってうまく最後まで拾うことができた」と喜んだ。

だが、今は本塁打以上に貢献していることがある。ベンチで味方のプレーに感情を爆発させる。コロナ禍で主力を欠く苦境も味わい「チーム一丸で試合がしたいと思っているので、より一層声を出すようにしている」と取り組む。おかげでチームのムードはガラリと変わった。ノリノリで一気に2位に浮上した。

4回にはドミンゴ・サンタナ外野手(28=インディアンス)と、ホセ・オスナ内野手(28=パイレーツ)が2者連続で、ともに来日初アーチ。サンタナは「積極的に話しかけてくれたり、とても温かく受け入れてくれている。とっても素晴らしいチームメート」と村上の計らいに感謝した。

打つだけでなく、感情と声で周りを奮起させ、力を引き出す。昨年までとはひと味違う仕事ぶりだ。6年ぶりのセ界制覇へ向けて、ヤクルトの雰囲気がいい。その中心に“村神様”がいる。【湯本勝大】

▽ヤクルト高津監督(監督として初めての5連勝) 先発投手が粘ってとか、誰かが出塁して、誰かが進めて、誰かがかえしてとか。形は見えてきたと思う。

▽ヤクルト小川(7回3失点で2勝目) 絶好調とは言えないけど、何とか粘ることができたし、バックのみんなに守られて何とか最少失点で投げることができた。