東京6大学のエースとしてしのぎを削った早大出身の楽天早川隆久投手(22)と法大出身のロッテ鈴木昭汰投手(22)が2日、楽天生命パークでプロ入り後初めて投げ合った。ともにドラフト1位で入団した左腕と共通項も多い。昨年10月3日の秋季リーグ戦以来となった先発での直接対決。互いに白星はつかなかった、2人の投球に迫った。

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早大出身の楽天ドラフト1位早川が“魔の6回以降”に課題を残した。3点リードの6回。1死から四球、連打で1点を返され、なおも一、二塁。1発だけは避けたい。だが、レアードにカウント2-2から決め球チェンジアップを、左翼ポール際へ運ばれた。逆転3ランを浴びた瞬間「あっ」と口を開いた。6回途中8安打5失点で降板。自身に勝敗はつかなかったが「失投を含めて打たれすぎてしまった」と反省した。

修正点は明確だ。今季6試合に登板し3勝2敗、防御率3・41。イニング別に分けると、1~5回の防御率は1・80(30回、自責6)、6回以降は10・29(7回、自責8)と差が出る。この試合では3回までは40%(50球中20球)だった変化球の割合を、4回以降は56・3%(48球中27球)と幅を広げ、打者の目が慣れる2巡目以降に対応したが、1発に泣いた。

5回終了後は、グラウンド整備が挟まれるため、攻守交代に通常時よりも長く時間をとられる。早川は「イニング間が長くなった後の回を慎重に投げられるように、気持ちの面も切り替えていかなければいけないと思いました」と、メンタル面の修正も課題克服への要素に挙げた。

石井GM兼監督も近未来のエースへ、ハイレベルな成長を求める。「もう少し回を追うごとに、慎重に、また大胆に攻めていく。その部分が弱いとは思わないが、いい結果が出ているときは浅い振り返りしかできない。今日みたいなゲームをばねとして頑張ってくれれば」。世代のトップを走り続けるために、壁を打ち破る。【桑原幹久】

◆楽天早川とロッテ鈴木の前回対戦 昨年10月3日の東京6大学秋季リーグ戦。早大エースの早川は9回無失点完封勝利。法大のエース鈴木も8回まで「0」を並べたが、9回に味方の失策が絡み2点を失った。とはいえ8回2/3を投げ、自責点は0。奪三振はともに13だった。勝った早川は「相手がどうあれ、自分ができることをやる」。一方、敗れた鈴木は「こんなゲームになることは投げる前からわかっていた。結果がすべて。悔しいです」と話していた。

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