初のG倒弾で独走いくで~。阪神は11日から中日、巨人との6連戦に臨むが、ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が引き続き4番を務める予定。12日からは本拠地甲子園にも観客が戻り、巨人戦ではカード初本塁打の期待がかかる。5月の月間打率3割6分4厘と好調なルーキーが、セ5球団&セ全本拠地制覇のG倒弾となれば、首位をひた走る虎の勢いがさらに増すことは間違いない。

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ルーキー4番が、さらに輝く舞台が整っている。貯金14で首位をひた走る虎は、11日中日戦(甲子園)と15日巨人戦(東京ドーム)で通算2000試合を迎えるメモリアルウイークに突入する。打線の軸に座るのは、もちろん佐藤輝だ。井上ヘッドコーチが「ルーキーでありながら、でんってして15年目みたいな感じで落ち着きがあるのは大したものだなと。4番を打っていることに動じないものを考えれば、大山が復帰するところまでテルを4番でいこうかなっていうのはもっています」と4番起用の継続を明かした。

佐藤輝は、主砲大山が背中の張りで6日に出場選手登録を抹消されてから、全3試合で「4番三塁」出場。「体験入部」で4番初スタメンだった2日と合わせると4番打率は3割3分3厘、2本塁打、8打点と堂々の数字。長い歴史を持つ球団同士の記念すべき戦いへ、猛虎打線の4番として、どっしりと構える。

緊急事態宣言の影響を受け、4月30日から無観客開催だった甲子園では、中日戦2試合目の12日から制限付きとはいえ、観客が戻ってくる。佐藤輝は「久しぶりに甲子園でお客さんが入るので、見に来て良かったと思ってもらえるようなプレーを見せたいです」。さらに次カードの巨人戦では待望の1発が飛び出るか、期待がふくらむ。

ここまで佐藤輝は、ヤクルト山田と村上と並びリーグトップの10本塁打。カード別では巨人をのぞくセ・リーグ4球団から本塁打を記録しているが、巨人戦6試合では0本。だが、5月の月間打率は3割6分4厘と絶好調。勢いに乗って巨人戦&東京ドーム初アーチとなれば、セ5球団&セ全本拠地制覇を早々と達成することになる。チームの勢いを増すには、これ以上ない要素だろう。

巨人はリーグ優勝のために倒さなければいけない宿敵。佐藤輝のG倒弾で圧倒し、独走態勢に入れるか。歴史を塗り替え続ける新人スラッガーのバットから目が離せない。【林亮佑】

◆佐藤輝の本塁打データ

▼月別 3月1本、4月6本、5月は6試合で3本。打率は3月・158→4月・264→5月・364とうなぎ上り。

▼左右投手別 右投手から7本、左投手は3本。ただし打率は対右2割4分7厘、対左3割2厘と左投手のほうがいい。

▼球種別 チェンジアップ、カーブ、ストレートを各2本。カットボール、ツーシーム、スライダーなど仕留めた球種も多彩。

▼カウント別 最も本塁打を打ったカウントは1-1の4本。2ストライクからの打率は合計1割7分4厘だが、本塁打も5本打っている。

▼球数別 3球目に5本を記録。次が5球目の3本。初球打ちの本塁打はまだない。

▼塁状況別 ソロ本塁打が5本。2ラン4本。満塁弾1本。得点圏打率は3割3分3厘、17打点と好成績だが、本塁打はまだ2本。

▼球場・カード別 甲子園で4本、横浜、神宮で各2本。バンテリンドーム、マツダスタジアムで各1本。カード別では広島戦で最多4本、DeNA3本、ヤクルト2本、中日1本。巨人戦と東京ドームでだけ打っていない。

▼打球方向別 オープン戦では6本中4本が左方向だったが、公式戦では右方向が7本、中堅2、左へは1本。(データは5月10日現在)

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