ソフトバンクが痛いドローで、2位再浮上を逃した。守護神の森が左肘の炎症で離脱する中、代役ストッパーのモイネロが2点リードを守れなかった。工藤監督は「今日勝てなかったのはぼくの責任です。すみません。今日は勝たなきゃいけない試合だった」と、声を絞り出すように話した。

9回無死で、レアードの三塁へのゴロを牧原大が悪送球。先頭の走者を出し嫌な空気が流れた。四球と犠打で1死二、三塁。代打エチェバリアの適時打と荻野の犠飛で同点に追いつかれた。防御率0点台の投球を見せていたモイネロが、複数失点するのは今季初。「まさか」の形で引き分けに持ち込まれてしまった。

先発和田も「まさか」だった。4回まで1人の走者も許さない好投だったが5回に急変。レアードの3ランなど一挙6点を失い、3点リードを逆転された。チームはこの日の6点を加え、今季通算で5回に33失点目。これはイニング別で群を抜いて、最も多い。「魔の5回」が苦しい展開につながった。

2連戦だった今カードは1敗1分け。6カード連続で勝ち越すことができておらず、我慢の戦いが続いている。【山本大地】

▽ソフトバンク中村晃(7回の左前タイムリーに)「みんながつないでくれたチャンスだったので、生かすことができててよかった。逆方向にいい打撃ができた」

▽ソフトバンク周東(3出塁2盗塁)「(7回は)つないでいく、出塁することを考えて打席に立ちました。何とか粘って四球を取り、得点につなげることができて良かった。こういう打席を増やしていけるようにしていきたい」

▽ソフトバンク和田(4回まで完全投球も5回に6失点)「4回まではすごく良い流れだったと思う。でも5回の1イニングですべて壊してしまった。チームに申し訳ない」

▽ソフトバンク笠谷(今季初の救援登板で2回を無安打5奪三振)「今日は(甲斐)拓也さんのミットを目がけて、しっかり腕を振ることができたと思います。今日のような投球が続けられるようにしたい」

▽ソフトバンク甲斐(7回の4号2ランに)「同点まで追いつき、流れがよかったので思い切ってスイングできました。みんなのつながりあっての1本だったと思う」