阪神西純矢投手(19)が、5回無安打無失点デビューを果たしプロ初勝利を挙げた。




チーム
ヤクルト
阪  神×

【ヤ】田口、今野、坂本

【神】西純、馬場、岩崎、スアレス

【本】近本3号ソロ(5回) サンズ10号ソロ(8回)


試合経過

<1回>

【ヤクルト】

1番山崎 四球

2番中村 四球

3番山田 二飛

4番村上 ど真ん中の直球を打つも中飛

5番オスナ 外角低めの直球を見逃し三振

阪神西純は33球費やす

阪神対ヤクルト 1回表ヤクルト無死、西純(手前)は山崎晃大朗に四球を出す(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 1回表ヤクルト無死、西純(手前)は山崎晃大朗に四球を出す(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 1回表ヤクルト無死一、二塁、西純(手前)は山田を二飛に仕留める(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 1回表ヤクルト無死一、二塁、西純(手前)は山田を二飛に仕留める(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト プロ初先発で帽子を飛ばして力投する阪神西純(撮影・前田充)
阪神対ヤクルト プロ初先発で帽子を飛ばして力投する阪神西純(撮影・前田充)

【阪神】

1番近本 初球を中安打

2番中野 二ゴロ

3番マルテ 右安打で1死一、三塁

4番佐藤輝 遊飛

5番サンズ 四球

6番ロハス・ジュニア 満塁で空振り三振

【真弓明信氏の解説】

-阪神の先発西純の立ち上がりは

真弓氏 先頭打者から、2つ四球を与えた。コースを狙いすぎているように見えた。私の経験からいうと、若い投手はガムシャラに投げるから、真ん中にきたり、ボールになったりする。逆球があったりね。だから打ちづらい。西純は、3番山田を迎えてから、いい意味で開き直れた。村上もそうだが、真っすぐのコースは甘かったが、ファウルになっていた。しっかりと腕が振れているので、球威はある。

-阪神は初回に近本が出塁したが、無得点に終わった

真弓氏 近本はカーブを見逃した後の2球目の直球を一発でしとめた。不調時ならファウルになっていただろう。状態がいいということだ。しかし2番中野のところで、盗塁など何か仕掛けたかった。前日に本塁打を放ったロハスは、3球目の甘いストレートを見逃したのが痛かった。内角に偏った配球だったので、ヤクルトのバッテリーも内を突けば、抑えられる意図があったのだろう。満塁のチャンスだったので、ロハスにはもう少し積極的に振って欲しかった。

阪神対ヤクルト ヤクルト先発の田口(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト ヤクルト先発の田口(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 1回裏阪神2死満塁、ロハス・ジュニアは空振り三振に終わる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 1回裏阪神2死満塁、ロハス・ジュニアは空振り三振に終わる(撮影・上山淳一)

<2回>

【ヤクルト】

6番青木 四球

7番サンタナ 二併殺

8番元山 遊直


【阪神】

7番梅野 右飛

8番山本 二ゴロ

9番西純 遊ゴロ


<3回>

【ヤクルト】

9番田口 三ゴロ

1番山崎 遊ゴロ

2番中村 三ゴロ


【阪神】

1番近本 二ゴロ

2番中野 二ゴロ

3番マルテ 遊ゴロ

【真弓明信氏の解説】

-ヤクルト田口は3回を無失点

真弓氏 初回の満塁をしのいで、立ち直った。対戦する打者にすれば、きっちりとコースを狙って投げてくる投手だけに、内角のスライダーを打ちにいくか、いかないかになる。打たないとなれば、外角の真っすぐしかない。球のキレもいいので、狙いを絞っていかないと。カーブは序盤では数多く投げていないので、頭に入れなくていいだろう。ただし、カーブが入り始めると厄介になる。

阪神対ヤクルト 3回も無失点に抑える田口(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 3回も無失点に抑える田口(撮影・清水貴仁)

<4回>

【ヤクルト】

3番山田 止めたバットにあたり投ゴロ

4番村上 左飛

5番オスナ 三ゴロ

【真弓明信氏の解説】

-西純は4回に4番村上に左翼フェンスぎりぎりのフライと打たれた

真弓氏 前の3球はすべて変化球だった。最後の真っすぐは、頭に入っていただろうが、差し込まれた。その前を打った山田に対してはカウント1-1からスライダーが逆球で内角に入った。止めたバットに当たって、投ゴロ。山田もこのコースは頭になかっただろう。逆球だから。これが若い投手の打ちづらさだ。

阪神対ヤクルト 4回表ヤクルト1死、村上の打球をフェンスにぶつかりながら好捕する左翼手サンズ(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 4回表ヤクルト1死、村上の打球をフェンスにぶつかりながら好捕する左翼手サンズ(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 4回を終えた西純(左から2人目)は好守備をしたサンズ(手前)を笑顔で出迎える(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 4回を終えた西純(左から2人目)は好守備をしたサンズ(手前)を笑顔で出迎える(撮影・上山淳一)

【阪神】

4番佐藤輝 空振り三振

5番サンズ 左安打

6番ロハス・ジュニア 遊失策で1死一、二塁

7番梅野 空振り三振

8番山本 見逃し三振


<5回>

【ヤクルト】

6番青木 二飛

7番サンタナ 三ゴロ

8番元山 四球

9番田口 二ゴロ

【真弓明信氏の解説】

-西純は5回を無安打無失点でデビュー戦を終えた。球数は87球

真弓氏 首脳陣は100球の球数をメドにしていただろうし、5回裏に打席が回ってくることを考えれば、降板もうなずける。ヒットも打たれていないし、次の登板もあるだろう。ただ課題を挙げれば、ストライクを取るボールにもう少し自信をもたないと。やはりストライクが先行しないと、苦しくなる。外角なら手を出してこないから、ストライクを取りにいっても大丈夫だ、というふうに、ストライクのとり方を覚えていかないといけない。3ボールからヤクルトの打者もファウルでしとめられず、ヒットは打たれなかったんだ。それを早いカウントからやれたらいい。

阪神対ヤクルト 5回表ヤクルト1死、西純(右)はサンタナを三ゴロに仕留め三塁手佐藤輝に笑顔を見せる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回表ヤクルト1死、西純(右)はサンタナを三ゴロに仕留め三塁手佐藤輝に笑顔を見せる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回まで無安打無失点も福原コーチから降板を告げられねぎらいを受ける西純(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 5回まで無安打無失点も福原コーチから降板を告げられねぎらいを受ける西純(撮影・清水貴仁)


【阪神】

代打原口 空振り三振

1番近本 ライトへの3号ソロで先制

2番中野 左飛

3番マルテ 左安打

4番佐藤輝 空振り三振

阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、近本は先制の右越え本塁打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、近本は先制の右越え本塁打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、西純(左から2人目)は近本(手前)の右越え本塁打にガッツポーズする(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、西純(左から2人目)は近本(手前)の右越え本塁打にガッツポーズする(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、右越え先制本塁打を放った近本(右)を笑顔で迎える西純(撮影・前田充)
阪神対ヤクルト 5回裏阪神1死、右越え先制本塁打を放った近本(右)を笑顔で迎える西純(撮影・前田充)

<6回>

【ヤクルト】

阪神2番手は馬場

1番山崎 空振り三振

2番中村 見逃し三振

3番山田 中飛

阪神対ヤクルト 6回表ヤクルト2死、馬場(手前)は山田を中飛に仕留める(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 6回表ヤクルト2死、馬場(手前)は山田を中飛に仕留める(撮影・上山淳一)

【阪神】

5番サンズ 二飛

6番ロハス・ジュニア 空振り三振

7番梅野 中飛


<7回>

【ヤクルト】

4番村上 空振り三振

5番オスナ 三ゴロ

6番青木 三ゴロ

阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト1死、オスナのゴロを処理する三塁手佐藤輝(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト1死、オスナのゴロを処理する三塁手佐藤輝(撮影・清水貴仁)

【阪神】

8番山本 中安打

代打小幡 バ三振

1番近本 右安打で1死一、三塁

ヤクルト田口が7回途中1失点で降板。2番手は今野

2番中野 近本が盗塁。捕手中村の二塁悪送球の間に三塁走者が生還。1死三塁で空振り三振

3番マルテ 四球

4番佐藤輝 二飛

【真弓明信氏の解説】

-近本が5回に先制ソロ、7回にも2点目のタイムリーと好調だ

真弓氏 カーブを引っ張って一、二塁間を破った。不調だった開幕当初は、大事にセンター方向に打とうとして、遊ゴロになっていただろう。体が泳がされるような球に対し、ヘッドを返さずにうまく打とうとすると、打球は弱くなる。しっかりとヘッドを返すことで、強い打球が打てる。近本は吹っ切れて、一、二塁間への引っ張りの打球が打てるようになってから、ヒットが増えた。次の中野の打席で、近本が盗塁をしかけたが、ヤクルトの捕手中村は二塁に投げるべきではなかった。遊撃のベースカバーを遅れていたし、走者が近本であることを考えれば、痛いミスだ。

阪神対ヤクルト 7回裏阪神無死一塁、3バント失敗でアウトとなる小幡(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 7回裏阪神無死一塁、3バント失敗でアウトとなる小幡(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 7回裏阪神1死一、三塁、力投もピンチで降板となる田口(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 7回裏阪神1死一、三塁、力投もピンチで降板となる田口(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 6回裏阪神1死一、三塁、近本は二盗を決め、送球がそれる間に三走山本が生還し追加点が入る(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 6回裏阪神1死一、三塁、近本は二盗を決め、送球がそれる間に三走山本が生還し追加点が入る(撮影・上山淳一)

<8回>

【ヤクルト】

阪神3番手は岩崎

7番サンタナ 見逃し三振

代打荒木 右飛

代打西浦 チーム初ヒットとなる中安打

代打塩見 右安打で2死一、三塁

2番中村 レフトへの適時打で1点返す。2死一、三塁

3番山田 中飛

阪神対ヤクルト 8回表ヤクルト1死、岩崎(手前)は代打西浦に中前打を打たれる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 8回表ヤクルト1死、岩崎(手前)は代打西浦に中前打を打たれる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 8回表ヤクルト2死一、三塁、中村は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 8回表ヤクルト2死一、三塁、中村は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

【阪神】

ヤクルト3番手は坂本

5番サンズ 右中間への10号ソロ

6番ロハス・ジュニア 空振り三振

7番梅野 右飛

8番山本 中飛

阪神対ヤクルト 8回裏阪神無死、左越え本塁打を放つサンズ(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 8回裏阪神無死、左越え本塁打を放つサンズ(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 8回裏阪神無死、左越え本塁打を放つサンズと出迎える西純(左から2人目)(撮影・清水貴仁)
阪神対ヤクルト 8回裏阪神無死、左越え本塁打を放つサンズと出迎える西純(左から2人目)(撮影・清水貴仁)

【真弓明信氏の解説】

-1点差に迫られた8回裏にサンズがソロ本塁打

初回の打席を見れば分かるが、内角のボール球をうまく見極められていた。昨年は、相手バッテリーに内角を徹底的に攻められ、内角を打ちたくて仕方がないという意識からボール球に手を出していた。その影響から好調だった打撃が乱れた。今年はしっかりと見極められているので、昨年のような大崩れはないだろう。それにしても、ヤクルトは1点差に迫った直後で、ここをゼロで切り抜けたら、逆転のチャンスもあっただろう。大きな本塁打だった。


<9回>

【ヤクルト】

阪神4番手はスアレス

4番村上 三ゴロ

5番オスナ 二ゴロ

6番青木 三ゴロ

【真弓明信氏の解説】

-西純がプロ初勝利

ストライクのとり方という課題を挙げたが、ストレートの球の質はいいものがある。ボール先行でストレートを投げるしかない状況で、相手が打ち損じるほどのキレがあった。5回ノーヒットでも勝ちがつかない投手もいる。何か持っているのだろう。前夜に西勇で試合を落としたこともあり、西純で取り返した。阪神にとっては、大きい1勝だ。


スタメン

【ヤクルト】

1(中)山崎

2(捕)中村

3(二)山田

4(三)村上

5(一)オスナ

6(左)青木

7(右)サンタナ

8(遊)元山

9(投)田口

【阪神】

1(中)近本

2(二)中野

3(一)マルテ

4(三)佐藤輝

5(左)サンズ

6(右)ロハス・ジュニア

7(捕)梅野

8(遊)山本

9(投)西純