阪神は21日、2軍本拠地を鳴尾浜球場から兵庫県尼崎市の阪神大物(だいもつ)駅近くの小田南公園へ移転することに向けて、阪神電鉄と球団、同市の関係3者で「小田南公園整備事業に関する基本協定」を締結したと発表した。同市から13日に正式に誘致の申し入れを受けた。球団創設90周年となる25年2月からの使用を目指し、球団広報部は「総工費は約100億円。(移転が)決定するために尼崎市議会の承認が必要となる。その上で来年12月に着工を想定している」と説明した。

基本協定によると、阪神電鉄が公園北側にメインのタイガース野球場、タイガース練習場、一般市民も利用するサブ球場小田南公園野球場(いずれも仮称)を建設して尼崎市に寄付し、同市はこの部分の営業権を阪神電鉄に与える。また、公園南側にも室内練習場・選手寮、クラブハウス、駐車場などを建設。球団広報部は「練習環境を充実させ常勝チームを作るのが今回の目的」とした。

球団広報部によると、メイン球場は現時点で収容人数3000人を予定。昨年尼崎市議が公開した誘致案の4000人より減少したが、94年10月から使用する鳴尾浜球場の500人を大きく上回り、尼崎市にとっても地域活性化の目玉となる。新本拠地は阪神大物駅から徒歩3分ほどの場所にある。