広島は21日、マツダスタジアムで同日から予定していた阪神3連戦を新型コロナウイルス感染拡大防止の観点などから中止とした。代替日は未定。

前日20日に新たに5選手を含む7人が陽性と判定され、陽性者が計10人となったことで、21日に開かれた実行委員会で申し入れた。また21日も実施したPCR検査で倉バッテリーコーチが新たに陽性と判定され、計11人になった。

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コロナ禍による影響はまだ、治まりそうにない。17日に判明した菊池涼ら3選手の感染に続き、前日20日には鈴木誠や長野ら5選手を含む7人が陽性と判定された。5月2日にプロ野球開幕後では初めて活動停止となった日本ハムに並ぶ計10人(後に計14人)の感染に、21日から本拠地マツダスタジアムで予定された阪神3連戦は中止、延期となった。鈴木球団本部長は「これまでとは違う感染の仕方がある。選手の感染のリスクが完全には抑えられない。しばらく試合を止めて拡大を防ぎたい」と説明。さらに21日は倉バッテリーコーチの陽性が判明し、感染者は計11人に増えた。

球団内で外食禁止などの予防を徹底した中での感染発覚、拡大で、小さくない動揺がある。佐々岡監督は「コロナの怖さを知っているだけに心配で(陽性者に)連絡もできない。心配だ。本当に怖いな。どこでどうなるか分からない」と不安を口にした。一時は高熱の菊池涼は症状が回復しているといい、球団は他の選手にも連絡をとりながらケアを続けていく。

球団はこの日も実施したリアルタイムPCR検査を22日以降も継続していく。鈴木球団本部長は「濃厚接触者も含めて沈静化するまで分からない」としながらも「西武戦からの再開を目指してやりたい」と、25日から始まる交流戦(マツダスタジアム)を見据える。長期化は避けたいところだ。

試合再開に向け、陰性判定の選手は22日から個別練習を再開する。球団独自の判断で18日に「感染拡大防止特例2021」の対象選手として出場選手登録を抹消された西川や松山、磯村も参加する予定。練習時間を分け、選手同士の接触を避けながら行われる。コロナ禍でも、前を向いて進んでいくしかない。