悲鳴に包まれた白球が甲子園の夜空に飛んだ。虎が誇る「8回の男」が決勝弾を浴びた。3-3の同点で迎えた8回1死一塁。セットアッパー岩崎優投手(29)が投じた4球目140キロを、6番紅林にバックスクリーン左まで運ばれた。4連投となった左腕は、ガックリと両手を膝についたまま動けず。たまらずベンチからタオルが投げられた。

「勝利の方程式」が崩されて痛すぎる終盤の逆転負け。交流戦2度目のカード負け越しに矢野監督も「いい感じで先制できたんで、そのままいきたかったですけど」と悔しがった。阪神のイニング別得失点はこれで8回がワーストのマイナス22点。強みであるはずの終盤戦が弱点になりかけている。チームの快進撃を支える岩崎だが、交流戦に入ってからこれで3敗目。交流戦5試合で計3イニングを投げて8失点(自責5)。交流戦前に1・33だった防御率は15・00と跳ね上がる。

指揮官は「今までの貯金というのは優がチームを引っ張ってやってくれたところがある。優が打たれることに関しては受け止められる」と責めることはないが、配置転換やリフレッシュの意味でベンチ外にする措置については「それも考えながら。一応(中継ぎ)9人いるんで」と否定しなかった。「(天候不良で中止にならず)明日試合があるようならそれもまた考えていこうかなと思っている」とすぐに手を打つ考えだ。

どうも波に乗れない。5月14日の巨人戦(東京ドーム)で引き分けを挟んで4連勝としてから●○と白星、黒星が交互に14試合も続く。連敗もないが、連勝もないオセロ地獄。矢野監督は「いい状態と言えない中でも粘っていると思う。1年間の中でこういう状態がよくない波は絶対にある」と踏ん張りどころとし、「打者が打っていってくれると状態が上がっていくんかなと思う」と打線の奮起を期待した。西武戦に引き分けて3・5差に迫る2位巨人の存在も気になるところ。ガッチリと投打がかみ合った試合を積み重ねたい。【桝井聡】

▼阪神は5月14日から巨人戦○●○、ヤクルト戦●○、ロッテ戦●○●、西武戦○●○、オリックス戦●○●と勝ちと負けが交互に14試合続いている。昨年6月26日~7月15日にDeNAが16試合で白黒を連続させたプロ野球記録に迫っている。

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