ロッテが2日連続で交換トレードを発表した。DeNA国吉佑樹投手(29)に続いて、中日加藤匠馬捕手(29)を獲得した。リリーフ投手と捕手。2つの補強重点ポイントに、シーズン半ばで一気に着手した。

捕手は特に、補強が急務になっていた。正捕手田村が4月末に左大腿(だいたい)二頭筋の肉離れで戦線離脱した。補強への水面下の動きが始まる中でも、柿沼がコロナ禍で自宅待機となり(後に陽性判定)、吉田は上半身のコンディション不良。開幕1軍入りした3捕手が、全員不在というピンチに陥った。

高卒の育成新人・谷川は手術後のリハビリ中。佐藤都、江村、宗接が1軍ベンチに入り、2軍でイースタン・リーグの公式戦に出場できる捕手は育成選手の植田1人だけ、という状態も1週間以上続いた。万一の際は2軍では野手がマスクをかぶることも想定される状況になっていた。

すでに柿沼は1軍に復帰し、田村も2軍で実戦復帰した。とはいえ捕手“強化”の必要もあった。今季ここまでのチーム盗塁阻止率は2割1分1厘でリーグワースト。西武を中心に足でかき回されるケースが多い。打撃、リード以上に「強肩捕手」が求められる状況で、「バズーカ」とも呼ばれる強肩を誇る加藤匠馬は、今のロッテにピンポイントではまる捕手といえる。

田村復帰が近づき始め、加藤匠馬も加入となると、将来の正捕手として期待される佐藤都もうかうかしていられなくなる。さらに、最近は1軍でのスタメンが多かった加藤翔平外野手(30)が中日に移籍することで、成績が伸び悩む若手外野手の藤原、高部、和田に対する中長期的な期待、さらにはプレッシャーが、ますます高まる。若手たちに殻を破らせる、強いメッセージ性も感じるトレードだ。【ロッテ担当 金子真仁】

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